高校陸上において、4×100mリレーで43秒台に突入することは一つの大きな目標です。先輩たちが46秒台から43秒を目指す中で、「1人あたり何秒で走ればいいのか」「今のチームがどれくらい縮めればいいのか」といった具体的な疑問が浮かび上がります。この記事では、43秒台を実現するための目標タイムの分解と、それを達成するためのポイントを詳しく解説します。
4×100mリレーで43秒を切るには何秒必要?
リレーは単純に4人の100mタイムを合計する競技ではありません。バトンパスの距離が重なるため、全体の走行距離は約380m〜390m程度とされ、実際に4人分のタイムを足したよりも速くなる傾向があります。
そのため、43秒を目指す場合、単純計算で1人あたり平均約10.75〜10.9秒程度で走る必要があると考えてよいでしょう(バトンパス込みのリレースプリット)。
現時点でのリレーメンバーのタイムから見る到達可能性
現在のタイムが以下のようであると仮定します。
- 1走:11.9秒(経験者)
- 2走:11.6〜11.7秒(経験者)
- 3走:12.2〜12.3秒(経験者)
- 4走:11.6〜11.7秒(経験者)
このタイムをそのまま足すと、合計で約47.5秒になります。リレー効果を差し引いても、現状では約45秒前半〜中盤のタイムが妥当と推測されます。
つまり、現メンバーで43秒を目指すには、全体で約2〜2.5秒以上の短縮が必要であり、1人あたりで見れば0.5〜0.7秒ずつのタイム短縮が求められます。
新1年生のポテンシャルと成長可能性
1年生メンバーのタイムが土で測ったものであることを考慮すれば、今後の成長による大幅な短縮も期待できます。
- 12.0(経験なし)→ 11.4〜11.5秒までの短縮可能性あり
- 12.7(小学生経験)→ 11.8〜12.0秒程度に短縮可能
- 11.9(中学経験)→ 11.3〜11.4秒程度に
- 12.3(中学経験)→ 11.5〜11.6秒程度に
土のトラックでの計測はタイムが出にくいため、正式な400mトラックでの練習や試合によって一気にタイムが更新されることがあります。
スピード強化とバトン技術がカギ
タイム短縮に必要なポイントは大きく2つあります:個々のスプリントスピードの強化と、バトンパスの完成度です。
特にリレーでは、バトンゾーン内でのスムーズなパスが0.2〜0.4秒の短縮につながることもあり、トータルで1秒以上の差が生まれることもあります。これはまさにリレーの最大の武器です。
また、スタートダッシュや中間疾走の改善、ストライドとピッチの最適化など、技術的なトレーニングも個人のタイムを大きく縮めるカギになります。
まとめ:43秒台を目指すには段階的な成長を
4×100mリレーで43秒台を目指すには、単純な足し算ではなく、「バトン効果」「個々のスプリント能力」「チームとしての連携」が重要になります。
現在の状況からは2秒〜2.5秒のチーム全体の短縮が必要となりますが、1人あたり0.5〜0.7秒の短縮、バトンパスの改善、1年生の伸びしろを加味すれば、実現不可能な目標ではありません。今の練習と意識の質を高めていけば、必ず近づけます。
まずは45秒前半を安定して出すことを中間目標とし、そこから43秒台へのステップアップを目指しましょう。
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