“厭らしい9番バッター”とは?打順の裏をかくキーマンの特徴と役割

野球全般

野球において9番打者と聞くと、一般的には打撃力が劣る選手、あるいは守備力重視のポジションと思われがちです。しかし、近年では「厭らしい9番バッター」と呼ばれる選手が注目を集めています。彼らは単なる打順の最下位ではなく、相手投手や守備陣にとって“いやらしさ”を感じさせる厄介な存在です。本記事では、そうした9番打者の特徴や役割、実例を交えて詳しく解説していきます。

厭らしい9番打者の定義とは?

「厭らしい」とは野球用語で、相手にとってやりにくく、思い通りにさせないタイプの選手を表す言葉です。9番打者がこの評価を受ける場合、以下のような特徴を兼ね備えていることが多いです。

  • 簡単にアウトにならない選球眼の良さ
  • カウントを稼ぎ、投手の球数を増やす
  • 足が速く、出塁後にプレッシャーをかける
  • バント・エンドラン・進塁打など小技が上手い
  • 1番打者へと繋げる粘り強いアプローチ

これにより、相手バッテリーにとっては想定以上に負荷の高い打者となり、「厭らしさ」を生む要因となるのです。

なぜ9番にそのような打者を置くのか?

かつては投手や守備要員などが務めることの多かった9番打者ですが、近年の野球では「1番に繋ぐもう一人のリードオフマン」として戦略的に配置されるケースが増えています。

特にDH制のあるリーグでは投手が打たないため、9番にも打撃力が求められるようになりました。厭らしい9番が出塁すれば、1番〜3番といった上位打線がチャンスを広げやすくなり、得点力が飛躍的に向上します。

具体的な選手例:厭らしい9番の代表格たち

NPBでは、以下のような選手が「厭らしい9番」として活躍してきました。

  • 源田壮亮(西武):卓越した守備に加え、粘り強い打撃で1番打者へ繋げる能力が高く、盗塁も得意。
  • 山田遥楓(オリックス):小技と足を絡めた“いやらしい”野球を体現し、出塁率の高さも評価される。
  • 菊池涼介(広島)※下位に置かれることも:選球眼・バント・機動力など、相手に嫌な印象を与えるスキルを多く持つ。

MLBでも、ワールドシリーズ常連チームが意図的に9番に俊足巧打の選手を配置することはよく見られます。

投手・捕手から見た“厭らしさ”の実態

厭らしい9番バッターがいることで、投手はイニングの“楽な終わり”を得られません。特に、2アウト走者なしの場面で「9番なら簡単に切れる」と考えていたところ、

・8球以上粘られて四球
・内野安打やセーフティバントで出塁
・盗塁や進塁打で得点圏に走者を送り込まれる

といったケースが続けば、精神的にもペースを乱されます。捕手にとっても配球の工夫が求められ、単純な打順下位とは捉えられなくなります。

“厭らしさ”は育成と戦略の結果

このような9番打者は、単なる偶然で生まれるものではなく、チーム戦略や育成方針の中で明確に設計されています。出塁率や足、戦術対応力などを重視して育てられ、試合の中で「嫌な存在」として機能するように磨かれてきた選手たちです。

近年では、打順の役割もより柔軟に運用されるようになり、「9番=弱打者」の固定観念は崩れつつあります

まとめ

「厭らしい9番バッター」とは、単なる打撃力では測れない、相手に嫌な印象を与える厄介な存在です。選球眼、小技、機動力などを武器に、相手投手のペースを崩し、上位打線へと繋げるキーマンとして重要な役割を果たします。

近代野球ではこうした打者が得点力を左右することも多く、野球観戦を深く楽しむためにも“厭らしさ”に注目してみると新たな発見があるでしょう。

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