寝技が存在する相撲とは?伝統と変化が交差する武道の世界

大相撲

日本の伝統武道である相撲といえば、立ったままのぶつかり合いや投げ技を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、実は一部の相撲には“寝技”の要素を含む流派や形式も存在します。この記事では、寝技がある相撲について詳しく解説していきます。

相撲における基本ルールと寝技の排除

大相撲や学生相撲、アマチュア相撲においては、基本的に「立合いから最後まで立った状態での勝負」が原則です。寝技、つまり地面に寝転がっての関節技や抑え込みなどは禁じられており、両者が倒れた場合は立ち上がるか、軍配で勝敗が決まります。

したがって、一般的な相撲観戦で寝技を見ることはまずありません。これは相撲が「相手を土俵の外に出す」「先に地に手や膝をつかせる」ことを勝利条件としているからです。

寝技を含む伝統的な相撲流派

一方で、日本の地方には、寝技を含む伝統的な相撲の流派や古流武術が存在しています。代表的なものに以下があります。

  • 薩摩藩相撲(示現流との融合) – 組み討ちや寝技も含む実戦的な技術体系。
  • 鎮西相撲(ちんぜいずもう) – 九州地方の古式相撲で、柔道に近い技法を含むことがあります。
  • 神道夢想流や他の柔術系流派 – 柔術と融合した形で相撲的な技術を教えるものもあり、寝技が登場することもあります。

これらは現代の競技相撲とは異なり、実戦武術や演武の一環として伝承されてきたものです。

国際的な相撲競技と寝技の扱い

国際相撲連盟(IFS)などが主催する海外大会においても、基本的には日本と同様に立ち相撲が主流です。ただし、異なる格闘技とのクロスオーバーイベント(たとえばMMAや総合格闘技系統の大会)では、「相撲スタイル」選手が寝技を用いるシーンも見られますが、これは相撲というよりも別競技との融合といえるでしょう。

また、スポーツエンターテインメントとしてのプロレスなどでは、相撲技と寝技の両方を取り入れた演出もあります。

寝技に近い大相撲の技

大相撲において完全な寝技は存在しませんが、それに近い技もわずかに存在します。

  • 複雑な足取りや極め出し – 地面に近い位置での関節技的な動作。
  • つかみ倒し(つかみたおし) – 腰より下の動作が絡む技法。

これらは寝技とまではいきませんが、「倒し技」や「抱え込み系」の技術が進化したものとして注目されています。

まとめ:寝技がある相撲は限定的だが存在する

結論として、現在の大相撲や一般的な相撲では寝技はほとんど見られませんが、歴史的・地域的に見れば寝技を取り入れた相撲の形態も確かに存在しています。格闘技としての相撲を深く知るためには、こうした古流や地方文化にも注目してみると新たな発見があるかもしれません。

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