総合格闘技(MMA)を練習している選手の中で、柔術を学ぶ必要性を疑問に思うことはよくあります。特に、アマチュアの試合に出場し、基本的な技術を身につけた後は、柔術の練習が果たしてどれほど必要なのか迷ってしまうことも。今回は、柔術を学ぶメリットと、総合格闘技における柔術の位置付けについて解説します。
柔術と総合格闘技の基本的な違い
総合格闘技と柔術は、技術やルールの面で大きな違いがあります。総合格闘技では、スタンドでの打撃や寝技の展開が含まれ、柔術は主に寝技の技術に特化しています。特に、柔術では試合中に柔術着(ギ)を着ることが前提で、ギを使ったグラップリングが多いため、ギなし(ノーギ)の総合格闘技とは異なる点が多いです。
この違いにより、柔術を学ぶことが総合格闘技にどれほど役立つか疑問に思う選手も少なくありません。しかし、柔術はあくまで寝技の基本を理解するために非常に重要な要素を持っています。
柔術が総合格闘技に与える影響
柔術は、寝技におけるポジショニングやサブミッションのテクニックを強化するための基礎となります。例えば、柔術の「ガードパス」や「極め技」は、総合格闘技でも重要な役割を果たします。ノーギスタイルであっても、柔術の基本的な寝技技術が活きる場面は多々あります。
また、柔術の練習を通じて身につく「呼吸法」や「体力の配分」など、試合の後半で疲れた時に非常に役立つスキルも得られるのです。総合格闘技の選手が柔術を学ぶことは、単に寝技の技術だけでなく、試合の戦術や精神面にも大きな影響を与えることがあるのです。
グラップリングと柔術の違いとは?
グラップリングは、柔術に限らず、レスリングやサンボなどさまざまなスタイルの寝技を含みます。総合格闘技では、グラップリング技術は非常に重要ですが、柔術とは異なり、ギを使わないノーギスタイルが一般的です。グラップリングでは、より迅速で力強い動きが求められ、柔術よりも瞬発的な攻防が多くなります。
そのため、柔術を習得することは、グラップリングを強化するためのステップとも言えます。例えば、柔術で学んだ「スイープ」や「サブミッションの応用」は、グラップリングにおける動きにスムーズに繋がり、試合の中で有効に活用することができるのです。
柔術の技術を身につけるべき理由
柔術を学ぶことで、試合の中での「ポジショニング」と「ディフェンス技術」を強化することができます。例えば、ガードからの攻撃や相手のパスガードを防ぐスキルは、MMAでの寝技戦で非常に有効です。柔術で得られる「耐久力」や「相手の動きを読む力」は、総合格闘技においても欠かせない技術となります。
また、柔術では非常に細かなディテールを学びます。これらの細かいテクニックが、相手に対して有利な位置を取るための助けとなり、試合全体の戦局を有利に進めることができます。
まとめ
総合格闘技において柔術を学ぶことは、単に寝技に特化した技術を身につけるだけでなく、試合全体を通じて有利なポジションを取るための重要なスキルを養うことができます。グラップリングの技術はもちろん大切ですが、柔術を学ぶことで得られる「耐久力」や「ディフェンス能力」は、総合格闘技での実戦にも非常に役立つものです。
したがって、柔術を学ぶことは総合格闘技における技術の向上に大いに寄与し、その後の試合で強さを発揮するために必要な要素となることは間違いありません。
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