ゴルフパターを選ぶ際に「削り出し」か「鍛造」かで迷う方は少なくありません。特に価格差が大きいため、機能面での違いが気になる方も多いでしょう。この記事では、削り出しと鍛造のパターの違い、性能面での比較、さらに中国製などの低価格モデルの選び方について、ゴルフ歴20年以上の視点から解説します。
削り出しパターとは?特徴とメリット
削り出しパターとは、金属のブロックからCNC(コンピュータ制御)で1本ずつ削って成形されたパターを指します。最大の特徴は、精密さと一体感です。
継ぎ目が一切ないため、インパクト時の打感が非常にクリアで、ツアープロの多くが好んで使用する理由のひとつでもあります。また、個体差が非常に少なく、同じスペックで量産しても品質が安定しているのも強みです。
ただし製造コストが高く、価格帯は3万円〜10万円以上と幅広く、エントリーユーザーにはややハードルが高いのが現状です。
鍛造パターとは?コストパフォーマンスの良さが魅力
鍛造パターは、金属を加熱・圧縮して成形し、仕上げに研磨や一部削り加工を加える製法です。生産効率が高いため、大量生産向きで価格が抑えられるというメリットがあります。
打感はややソフト寄りで、芯を外したときのフィードバックは削り出しに比べてマイルド。ミスに寛容な面もあるため、中級者〜アベレージゴルファーにとって扱いやすいとされています。
1万円〜3万円程度の価格帯でも高品質なモデルが多く、コストパフォーマンス重視で選ぶなら鍛造パターも有力候補となります。
削り出しと鍛造の性能面の違い
項目 | 削り出し | 鍛造 |
---|---|---|
打感 | 硬め・繊細 | やや柔らかめ |
精度 | 非常に高い | 安定しているが個体差あり |
価格 | 高価(3万〜10万円) | 比較的安価(1万〜3万円) |
フィーリング | プロ志向 | アマチュアにも扱いやすい |
どちらが優れているかはプレーヤーの好みによりますが、繊細なタッチ・フィードバック重視なら削り出し、コスパや扱いやすさ重視なら鍛造というのが一般的な選び方です。
中国製や無名ブランドパターの実力は?
近年、中国などの海外製パターがECサイトで数多く販売されており、1万円以下で「削り出し風」や「鍛造」パターが手に入るようになっています。機械自体は日欧と同じCNC設備が使われているケースも多く、一概に「粗悪品」とは言えないのが実情です。
ただし、ロフトやライ角、バランス設計にばらつきがある場合も多く、フィッティングが前提の中〜上級者にはやや不向きかもしれません。また、コピー品や偽ブランド(オデッセイやスコッティキャメロンを模したモデル)には注意が必要です。
購入の際は、無印であっても設計図やバランス、製造背景が明記されている商品を選ぶことが大切です。
なぜ無印パターは少ないのか?
ユーザー視点では「メーカー名なんていらない、性能さえ良ければ無印でいい」という声も根強いですが、メーカー側はブランディングやサポート体制を重視しているため、あえて無印を避ける傾向があります。
ただし、OEM生産などで複数のブランドに同一パターを供給しているケースもあり、実際には“無印に近い”性能の製品が世に出ているのも事実です。
価格帯や用途に応じて、自分の感覚に合うモデルを試打してみるのが最も確実な方法です。
まとめ
削り出しパターは精度と打感に優れ、プロや上級者に好まれる一方、鍛造パターはコスパと扱いやすさでアベレージゴルファーに人気があります。どちらも一長一短があり、自分のスタイルに合った選択が大切です。
また、中国製などの低価格パターも、選び方さえ間違わなければ有力な選択肢となります。偽物を避け、信頼できる情報をもとに選ぶことで、価格を抑えつつ満足のいくパターを手にすることができるでしょう。
コメント