ベンチプレスは大胸筋を鍛える代表的な種目ですが、間違ったフォームで行うと肩を痛めるリスクが高まります。特にグリップの角度や力の入れ方を誤ると、パフォーマンスの低下や怪我の原因にもなりかねません。
ベンチプレスにおけるグリップの基本と重要性
グリップとは、バーベルやダンベルを握る手の形や角度のことを指します。ベンチプレスではこのグリップが胸・肩・腕への負荷のかかり方を左右する重要な要素です。
多くの初心者は「真っ直ぐ握る」のが正解だと思いがちですが、実際には肩や手首の構造上、自然な角度(いわゆる“ハの字”)で握る方が関節への負担を減らすことができます。
逆八の字(リバースグリップ)と肩への負担
「逆八の字」とは、グリップが内側に向くような形で、肘が外に開きやすくなります。このフォームでは肩関節の外旋が強まり、インピンジメント症候群(肩の挟み込み)を引き起こす可能性があります。
実際にこのグリップでトレーニングを続けた人の多くが「肩に違和感を感じるようになった」と語っており、特に重さを増やした時に問題が顕著になります。
安全で効果的な「ハの字グリップ」とは?
「ハの字グリップ」とは、親指と人差し指がやや外を向くようにして、自然な前腕の角度を保ったまま握る方法です。この形にすると、肩を内旋させすぎず、肩甲骨を寄せた姿勢を保ちやすくなります。
このグリップを使うと、バーベルを下ろす時に肘が自然な角度で身体に沿い、肩へのストレスを最小限に抑えることができます。
力の入れ方:小指・薬指に重心を置くべき理由
ベンチプレスにおいて「親指や人差し指で押す」のではなく、「薬指・小指側で押す」感覚を意識することで、前腕から肩への力の流れが安定しやすくなります。
例えば、小指に力を入れることで自然と肩甲骨が安定し、胸を張った状態をキープしやすくなるという利点があります。これは肩甲骨を寄せて下げるという理想的なフォームにもつながります。
実践例:フォームを改善するためのチェックポイント
以下のようなポイントを意識することで、安全かつ効果的にベンチプレスを行えます。
- グリップは肩幅よりやや広めに設定
- 手首を真っ直ぐに保ち、小指側に重心を置く
- バーベルを下ろす位置は乳頭ラインを目安に
- 肩甲骨は常に寄せて下げる
トレーニング中に鏡を使って自分のフォームを確認したり、動画撮影してプロの意見を仰ぐのも効果的です。
肩を守りながら効果を最大化するための補助トレーニング
ベンチプレスのフォームを見直すだけでなく、肩甲骨周りやローテーターカフ(肩回旋筋群)を鍛えることも重要です。これにより肩の安定性が増し、怪我のリスクを減らせます。
おすすめの補助種目は次の通りです。
- フェイスプル
- エクスターナルローテーション(外旋運動)
- プランク+肩甲骨回し
これらは軽い負荷でも十分に効果があるため、ウォームアップやクールダウンに取り入れると良いでしょう。
まとめ:フォーム改善が肩の怪我予防と筋肥大の鍵
ベンチプレスでは、正しいグリップと意識する力の方向が非常に重要です。特に“ハの字グリップ”と“小指・薬指側に力を入れる”ことを意識することで、肩の怪我を防ぎつつ、より効率よく筋肉に刺激を与えることが可能です。
トレーニングの成果を最大限に引き出すためにも、自分に合ったフォームを見つけて、安全で継続可能な筋トレライフを送りましょう。
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