アントニオ猪木とボブ・バックランドのフルタイム戦は、猪木のキャリアの中で重要な試合の一つでありながら、なぜかその後の記憶に残ることは少ないようです。猪木VSロビンソンのフルタイム戦は今でも語り継がれ、プロレスファンの間でその名を馳せていますが、バックランド戦に関してはどうしてこれほどまでに語られることが少ないのでしょうか?この記事では、その背景を掘り下げ、猪木VSバックランドの試合の評価やその後の影響について解説します。
1. 猪木VSロビンソンの試合との違い
猪木VSロビンソンの試合は、プロレス史上に残る名勝負として多くのファンに記憶されています。1960年代の後半に行われたこの試合は、双方の技術と精神力のぶつかり合いであり、特にその「フルタイム戦」という形式が注目されました。猪木とロビンソンはその後のプロレス界に大きな影響を与え、この試合はその象徴的な瞬間として今でも語り継がれています。
これに対して、猪木VSバックランドの試合は、そのドラマ性やインパクトがロビンソン戦に比べて弱かったとも言われます。バックランドはあくまでアメリカンプロレスのスタイルであり、日本のファンにはなじみの薄い存在でした。そのため、試合の注目度も相対的に低く、試合後の記憶に残りにくかったのです。
2. バックランドのスタイルと猪木との相性
ボブ・バックランドは、アメリカのレスリング界で確固たる地位を築いていましたが、そのスタイルは純粋なレスリング技術に重きを置くものでした。彼の戦い方は、技術的には優れていたものの、日本のファンが求めるようなエンターテインメント性やドラマ性には欠けていたと言えます。
対する猪木は、レスリングの技術に加え、試合の中での心理戦やドラマ作りが得意であり、観客を引き込む能力に長けていました。このため、バックランドとの試合では、その技術力に差はあれど、観客を興奮させるようなエンターテインメント性が不足していたことが、試合があまり語られない原因の一つだと言えるでしょう。
3. 試合自体の評価とファンの反応
猪木VSバックランドのフルタイム戦は、確かに技術的には高い評価を受けていましたが、その試合の結果として、視覚的なインパクトやストーリー性に欠けていたため、ファンの間で長く語り継がれることはありませんでした。特に日本では、アメリカンプロレスの要素が受け入れられるのは一部であり、そのスタイルの違いが試合の評価に影響を与えたとも言えます。
また、バックランドが王者として持っていたオーラも、当時の日本のファンにはあまり浸透していなかったため、その試合が象徴的な名勝負として記憶されることはなかったのです。
4. その後のプロレス界への影響
猪木VSバックランド戦がプロレス界に与えた影響は決して小さくはありませんが、その後の猪木のキャリアを支えたのは、やはり他の名試合でした。特に、ロビンソン戦をはじめとする多くの名勝負があったからこそ、猪木はプロレス界のトップスターとして長い間活躍することができました。
バックランドとの試合は確かに注目されましたが、猪木自身のキャリアにおいて最も印象深い試合の一つに位置することはなく、そのため多くのファンの記憶に残らなかったというのが現実です。
5. まとめ
猪木VSバックランドのフルタイム戦は、確かに技術的な面で評価されるべき試合でありましたが、ロビンソン戦に比べてファンの記憶に深く残ることはありませんでした。バックランドのスタイルが日本のファンにとってなじみが薄かったこと、そして試合のエンターテインメント性に欠けていたことが、その理由の一つと考えられます。
とはいえ、猪木とバックランドの試合があったこと自体は、プロレス界における重要な瞬間であったことは間違いなく、その試合の技術的な価値を評価する声も今後増えていくことでしょう。
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