サッカーにおける左利きのセンターバック(CB)は、しばしば「希少価値が高い」と評価されます。現代サッカーでは戦術の高度化により、単なる守備能力以上の役割がCBに求められており、左利きであることが特別なアドバンテージとなる理由も明確になっています。
左サイドでのビルドアップに適している
左利きのCBは、左サイドでのボール回しにおいて非常に自然な動きが可能です。右利きの選手が無理な体勢でキックを行う場面でも、左利きならスムーズに正確なパスを出すことができます。
特にビルドアップ(後方からの組み立て)が重要な戦術を採用しているチームでは、左利きのCBが左CBに入ることでパスの精度や展開のテンポが大きく向上します。
パス角度のバリエーションが広がる
左利きのCBは、体の向きとキック方向の自由度が高いため、相手のプレスを受けづらくなります。これは右利きが左CBに入った場合と比較して明確で、内側に切り返す癖が読まれやすい右利きとは異なり、左利きはより広い選択肢を持てます。
実際の試合では、縦パスやサイドチェンジの精度の高さがチャンスの創出に直結する場面が少なくありません。
戦術的な柔軟性と希少性
左利きのCBは全体の選手層としても少ないため、どのレベルのチームでも重宝されます。例えばプロレベルのスカウトにおいて、同じ能力のCBが複数候補にいた場合、左利きの選手が優先されることも珍しくありません。
さらに、3バックや5バックなどフォーメーションの変更にも柔軟に対応できるのも魅力です。特に左ワイドCBの役割では、左利きの特性が活かされます。
実例:世界の左利きCBたち
マンチェスター・シティのアイメリク・ラポルテや、元バルセロナのサミュエル・ユムティティなど、左利きCBとして名を馳せた選手たちは数多くいます。彼らはいずれも高精度の左足と視野の広さを持ち、ビルドアップの起点としての役割を担いました。
また、日本代表でも冨安健洋選手が左右両方をこなすものの、左CBには明確な左利きが必要だという声は根強くあります。
まとめ
左利きのセンターバックが貴重とされる理由は、単に希少性だけでなく、戦術面・技術面での明確な利点にあります。ビルドアップへの貢献度、パス角度の自由度、そしてフォーメーションへの適応力など、現代サッカーにおいて左利きCBの価値は今後ますます高まるでしょう。
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