高校野球の甲子園では、試合の展開に応じてさまざまな戦術が使われます。その中で、初回にわざと1番、2番を申告敬遠し、3番、4番のクリーンナップで勝負を挑むという戦術は、果たしてカッコ良いのか、また実際に有効なのか、深く掘り下げてみましょう。
申告敬遠とは？
申告敬遠は、ピッチャーがわざとストライクを投げずに、ボール球を投げて四球を与える戦術です。これにより、特定のバッターを避け、打順を変更して有利な展開に持ち込むことができます。特に強打者が並ぶ打線の中で、早い段階で得点圏にランナーを進めないようにするための重要な戦術となります。
甲子園のような大舞台では、こうした戦術を駆使して、相手の強打者を封じ込める場面も多く見られます。
初回から1番2番を申告敬遠する理由
初回から1番、2番を申告敬遠するという戦術は、相手チームのクリーンナップ（3番、4番）を最初に打たせることで、強打者にプレッシャーをかける狙いがあります。この戦術を採る理由は、2つの要素が考えられます。
- 相手の強打者に対して有利なカウントを作る：申告敬遠を行うことで、1番や2番の打者が打席に立たず、次のクリーンナップバッターに焦点を当てられる。
- 得点圏にランナーを出さない：1番、2番の打者に出塁させないことで、得点を奪われるリスクを減らす。
この戦術は、相手の調子や打順によって効果を発揮しますが、状況によってはリスクも伴います。
この戦術はカッコ良いのか？
「カッコ良い」というのは、戦術的には勝利を目指すために効果的であれば、その選手や監督の決断が素晴らしいと感じる人も多いです。しかし、ファンから見れば、申告敬遠を実行することで、選手が“安全策”を取っているようにも見えるかもしれません。
逆に、試合の初めにリスクを取る形でクリーンナップに勝負を挑む姿勢は、果敢で攻撃的なイメージを与えるため、一部のファンには非常にカッコ良く映ることもあります。特に甲子園のような熱い舞台では、勇気をもって強打者に立ち向かう姿が称賛されることも少なくありません。
実際にこの戦術が有効かどうか
この戦術が有効かどうかは、試合の状況やピッチャーの能力、相手の打者の状態によります。例えば、相手の1番、2番が速い足を持っている場合や、出塁率が高い選手がいる場合、申告敬遠は逆にランナーを得点圏に進めてしまうリスクがあります。
また、相手のクリーンナップが本当に強打者であるならば、初回からクリーンナップに勝負を挑むことは、ピッチャーにとってプレッシャーを減らす意味でも有効な手段となります。しかし、計算通りにうまくいかない場合、早い段階でリードを許す可能性もあります。
まとめ
初回に1番、2番を申告敬遠して3番、4番のクリーンナップに勝負を挑む戦術は、状況によっては非常にカッコ良く、攻撃的な印象を与えることができます。しかし、戦術の有効性は試合の流れや相手の実力によって変わるため、その決断が試合の中でどう作用するかが鍵となります。結果として、この戦術がうまくハマれば、監督の判断力が光り、ファンにとっても強い印象を与えることになるでしょう。
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