MLBの不文律の中で、「大量得点差がある場合は盗塁してはならない」というルールがあります。このルールは、試合の展開が決まりつつある状況で相手をさらなる屈辱に晒さないようにするためのもので、スポーツマンシップの一環とされています。しかし、暴投やパスボールによる進塁についてはどうでしょうか? 盗塁ではなく進塁であっても、その不文律に抵触するのか、という疑問に答えていきます。
盗塁禁止の不文律とは?
「盗塁禁止」の不文律は、大差がついた試合の終盤に相手チームを侮辱しないようにするためのマナーとして、長年にわたって守られてきました。特に、大差で試合が決まったときに盗塁を試みることは、相手をさらなる精神的な負担に追い込む行為として批判されることがあります。
このルールはあくまで不文律なので、公式なルールブックには明記されていませんが、多くの選手や監督がそれを意識してプレイしています。
暴投やパスボールでの進塁
一方、暴投やパスボールが発生した場合、バッターは盗塁とは異なり、無意識のうちに塁を進めることになります。これらは基本的に、ピッチャーやキャッチャーのミスによって起こるプレイであり、バッターやランナーの意図的な行動ではありません。
そのため、暴投やパスボールによる進塁は、盗塁禁止の不文律には当たらないとされることが一般的です。進塁が完全にピッチャーやキャッチャーのミスによるものであるため、スポーツマンシップの観点でも問題視されることは少ないです。
進塁と盗塁の違い
盗塁と進塁の大きな違いは、選手が積極的に次の塁を狙うか、ピッチャーやキャッチャーのエラーによって進むかという点です。盗塁は選手の意図的な行動に基づいており、大差がついている試合で盗塁をすることは、相手に対して挑発的な意味合いを含んでしまうことがあります。
一方、暴投やパスボールは意図的な行動ではなく、試合の進行において自然に発生する現象であるため、スポーツマンシップに反する行為とみなされることは少なく、試合のマナーにはあまり影響しないと考えられています。
歴史的な事例とその反応
MLBの歴史の中でも、大量得点差で盗塁を試みる選手に対して批判が起きた事例は数多くあります。例えば、2017年には、ニューヨーク・ヤンキースのガードナー選手が大差の試合で盗塁を試みた際、相手チームの監督から抗議を受けました。このように、大差がついているときの盗塁にはしばしば不文律に基づいた反応が見られます。
一方、暴投やパスボールによる進塁にはほとんど批判的な反応は見られません。例えば、ピッチャーのミスで進塁した場合、ランナーはただその機会を生かしただけであり、試合の流れに逆らう行為ではないためです。
まとめ:暴投やパスボールは盗塁禁止の不文律に影響しない
結論として、MLBの不文律である「大量得点差での盗塁禁止」は、暴投やパスボールによる進塁には適用されません。盗塁は禁止されていますが、暴投やパスボールによる進塁はピッチャーやキャッチャーのエラーであり、選手の意図的な行動ではないため、スポーツマンシップに反する行為とみなされることは少ないです。
したがって、大差の試合においても、暴投やパスボールで進塁することは、問題とはならないというのが一般的な理解です。
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