本州におけるツキノワグマの生息状況は、近年顕著に変化しています。かつては西日本に少なく、東日本に多く分布していたツキノワグマですが、現在ではその分布域が拡大し、個体数も増加傾向にあります。
ツキノワグマの分布拡大と個体数の増加
1990年頃から、四国を除く地域でツキノワグマの分布域が拡大しています。特に青森県北部、福島県阿武隈山地、富山県西部、長野県全域、中国山地などで顕著な拡大が見られます。これに伴い、捕獲頭数も増加しており、個体数の増加が示唆されています。環境省のデータによれば、都道府県ごとの推定個体数も増加傾向にあります。[参照]
出没の増加とその背景
ツキノワグマの出没が増加している背景には、いくつかの要因が考えられます。まず、ブナの実の豊凶が影響しています。ブナの実が豊作の年はクマの出没が減少し、逆に凶作の年は出没が増加する傾向があります。これは、クマが食料を求めて人里に降りてくるためです。[参照]
地域別の生息状況
本州では、関東地方北部や中部地方、東北地方などでツキノワグマの生息が確認されています。一方、千葉県は本州で唯一クマが生息していない「クマなし県」とされています。これは、地理的条件や生息環境の違いによるものと考えられています。[参照]
山登りとクマとの遭遇リスク
山登りをしている際にクマと遭遇する可能性はゼロではありません。特に秋のブナの実の凶作年には、クマが食料を求めて低地に降りてくることがあります。したがって、山登りをする際にはクマの出没情報を事前に確認し、適切な対策を講じることが重要です。[参照]
まとめ
ツキノワグマは本州全域に分布を広げ、個体数も増加しています。出没の増加は、食料の豊凶や生息環境の変化など複数の要因が関与しています。山登りをする際には、クマとの遭遇リスクを認識し、事前の情報収集と適切な対策を講じることが重要です。
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