ロードバイクホイールの手組みにおいて、ハブとリムの選択はホイール性能に直結する重要なポイントです。特にオフセット構造を持つハブと通常リムの組み合わせには注意が必要です。今回は、Powerway R13ハブとTNI AL300リムの組み合わせが実用可能かどうか、そしてその際に気をつけるべき点について詳しく解説します。
Powerway R13ハブの構造的特徴とは
Powerway R13ハブは軽量性とコストパフォーマンスで人気があり、リアハブにはフランジオフセット(左右非対称構造)が採用されています。これにより、スポークテンションのバランスが取りやすくなる利点がありますが、それは左右で異なるリムフランジ幅を補うために設計された構造です。
オフセットハブは、スポークテンションの左右差を縮めて剛性と耐久性を高める設計になっていますが、この設計の恩恵を最大限に受けるにはオフセットリムと組み合わせるのが理想的です。
TNI AL300リムは非オフセット
TNI AL300は人気の高い軽量アルミリムですが、一般的な対称リム(非オフセット)となっています。このため、オフセットハブと組み合わせると、スポークテンションに左右差が出やすくなる場合があります。
ただし、これは「組めない」という意味ではありません。非オフセットリムでもR13と組むことは可能ですが、テンションバランスを考慮して組まないと、耐久性に影響を及ぼす可能性があります。
テンションバランスと組み方の工夫
オフセットハブに非オフセットリムを使用する場合、右側のスポークテンションが高く、左側が低くなりがちです。この差が大きいと、リムがセンターからずれたり、走行時の衝撃でスポークが緩みやすくなったりします。
そのため、ホイールを組む際には、スポーク数の調整(左右異数スポーク構成)、または左側のスポークを強化タイプにするなどの工夫が必要になります。手組みに慣れていない場合は、経験豊富なビルダーに相談するのも良い方法です。
オフセットリムを使用した場合の利点
オフセットリム(アシンメトリックリム)を使うことで、左右のスポーク角度が揃い、テンションバランスが良くなります。結果的にホイールの耐久性と真円性が保ちやすくなり、性能も安定します。
たとえば、DT SWISSやVelocityなどのブランドから出ているオフセットリムは、オフセットハブとの組み合わせに適しています。初めての手組みなら、こうしたリムの導入も検討の価値があります。
まとめ:非オフセットリムでも組めるが工夫が必要
結論として、Powerway R13ハブとTNI AL300リムの組み合わせは物理的には問題なく組めますが、スポークテンションの管理に工夫が求められます。理想的にはオフセットリムとの併用が望ましいですが、TNI AL300を使用する場合でも、適切なスポーク配置やテンション調整を行えば、十分に信頼性のあるホイールを組むことは可能です。
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