船に乗っている最中、突然の異音や急停止に遭遇すると大変驚かされます。特に「ギギギ」と嫌な音や煙が伴う場合、暗礁に乗り上げたのか、エンジントラブルなのか、素人目には判断がつきにくいものです。ここでは船が急減速・停止する際に考えられる原因や、その場でできる判断の目安について解説します。
暗礁や座礁の可能性
まず想定されるのは、水深が浅い場所での暗礁や海底との接触です。船底やスクリューが海底に擦れると「ガリガリ」「ギギギ」といった異音が発生し、船体への抵抗で急減速します。特に港近くや浅瀬では注意が必要です。
ただし完全に座礁すれば動けなくなるため、その後にエンジンが再始動して航行を続けられたのであれば、軽度の接触や一時的な巻き込みにとどまった可能性が高いでしょう。
スクリューやシャフトの異常
次に多いのがスクリューへの異物巻き込みです。海藻や漂流物がスクリューに絡むと大きな異音や振動を発し、エンジンに負荷がかかって停止する場合があります。この場合、操縦者は船尾から船底を確認し、巻き込みの有無をチェックします。
煙が出たのは、エンジンに過剰な負荷がかかったために排気が濃くなった可能性があります。異物が外れて再始動できれば、そのまま航行できることもあります。
エンジンや燃料系統のトラブル
エンジン自体の一時的な不調や燃料系統のエア噛みでも急停止が発生します。特に古いエンジンや整備不良の場合に起きやすく、異音や煙を伴うことがあります。再始動ができれば航行は可能ですが、潜在的なリスクが残るため整備点検が必要です。
燃料に水が混入したり、フィルター詰まりが原因の場合も同様の症状を示すことがあります。
乗船者ができる対応
急停止に遭遇した場合、乗船者が冷静にできる対応は限られますが、以下の点が役立ちます。
- 立ち上がらず姿勢を低く保ち、転倒や衝突を避ける
- 救命胴衣や浮力体を手元に確保しておく
- 船長やクルーの指示を待ち、無用に移動しない
海上では最悪の場合でも他船の曳航や沿岸警備の救助が期待できるため、落ち着いた行動が何よりも重要です。
まとめ
船の急停止には、暗礁や海底との接触、スクリューへの異物巻き込み、エンジントラブルなど複数の可能性があります。今回のように再始動して航行を続けられたケースでは、軽度のスクリュー巻き込みや一時的なエンジン不調である可能性が高いでしょう。いずれにしても、船上では冷静に状況を観察し、安全を最優先に行動することが大切です。
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