ローイング競技において、コックス(COX)は単なる舵取り役ではなく、クルー全体のリズムや士気をコントロールする重要な存在です。各チームごとにコールの内容や表現は異なりますが、入れるべきタイミングや意図には共通点があります。この記事では、COXがどんな場面でどのようなコールを入れるのか、その具体例と効果について解説します。
スタート時のコール
レース序盤はクルー全員が緊張しやすく、リズムが乱れることも多いため、COXのコールは特に重要です。代表的な例としては「ワン!ツー!スリー!」といったリズムを合わせるカウントや、「落ち着いて!リズム!」といった安定を促す声がけがあります。
スタートダッシュを重視するチームでは「10ストローク強く!」と短い区切りを明確に指示することで、序盤の加速を効果的に引き出します。
中盤(レースの安定期)のコール
中盤では持続力が求められるため、コールは「リズム維持」「効率化」「呼吸の統一」に重点が置かれます。例えば「リズム一定!」「キャッチを揃えて!」といった指示が典型です。
また、相手クルーとの位置を見て「相手より半艇身リード!このまま!」といった実況的なコールを加えると、チームの集中力と士気が上がります。
スパート前のコール
終盤に差しかかる直前、COXは「あと20ストロークでスパート!」などと明確に合図を出すのが効果的です。この段階で心の準備をさせることで、全員が同じタイミングで力を合わせやすくなります。
さらに「ここで脚を強く!」と具体的な部位や動作を示すコールを入れると、意識がはっきりして動作が安定します。
ラストスパート時のコール
ゴール前の数十ストロークは勝敗を分ける最重要局面です。ここでは「10ストローク全力!」「限界を超えて!」といった気持ちを鼓舞するコールが有効です。数字をカウントダウンすることで、選手に「あと少し」という心理的な支えを与えられます。
また、「内側から押せ!」「艇を伸ばせ!」といった技術的な指示も加えると、勢いを落とさずに最後まで漕ぎ切れます。
練習時のコール例
練習ではレース本番以上に具体的で細かいコールが用いられます。「キャッチをもっと早く!」「リズムを大きく!」など、動作改善を意識した言葉を選ぶと効果的です。
また、練習中に「ここから10ストロークは試合想定で!」といったシミュレーションを取り入れるコールは、実戦力の強化につながります。
まとめ
ローイングにおけるCOXのコールは、レースの流れを支配し、クルーを一体化させる大切な役割を担います。スタートではリズムを整え、中盤では安定を重視し、終盤では士気と爆発力を引き出す——この流れを意識するだけでもコールの質は大きく向上します。各チームごとのアレンジを加えながら、自分たちに最も合ったスタイルを見つけていくことが重要です。
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