ロードバイクのフレームサイズは、昔と比べて表示方法や設計思想が大きく変わってきました。以前は「460mm」「510mm」といったシートチューブ長でサイズを表すことが一般的でしたが、近年ではトップチューブ長やリーチ・スタックといった指標が重視されるようになっています。その背景には、ライダーのポジションの変化やフレーム設計の進化があります。
昔のフレームサイズと現在の違い
かつてはシートチューブ長(BB中心からシートチューブ上端までの長さ)を基準にサイズを表記していました。そのため「XS=460mm」「S=510mm」といった形で明確な数字が並んでいたのです。しかし近年はコンパクトジオメトリーの普及により、フレームサイズ表記と実際のフィット感が必ずしも一致しなくなりました。
現在は「Sサイズ=520mm」といった表記も見られますが、それはシートチューブ長が伸びたのではなく、メーカーが表記基準を変えた結果である場合が多いです。
ポジションの変化と前乗り傾向
昔はサドルを後方に引き、長めのトップチューブで後ろ乗りが主流でした。しかし最近はエアロポジションやパワー効率を重視し、サドルを前方にセットして「前乗り」で走るスタイルが増えています。これに合わせてフレームも短めのトップチューブや調整幅の広い設計が多くなっています。
トライアスロンやタイムトライアルの影響もあり、骨盤を立てて前方に座る設計が市民ライダーにも普及したことが、設計変化の一因です。
低身長ライダー向けサイズは消えたのか?
「460mm」「480mm」といった数字は見かけなくなりましたが、低身長ライダー向けのフレームがなくなったわけではありません。多くのメーカーはXSやXXSを展開しており、リーチやスタックを見れば昔よりも小柄な人にフィットしやすいモデルも増えています。
例えば女性向け設計のフレームや、アジアンフィットを意識したブランドでは小さいサイズも豊富にラインナップされています。
中古バイクを選ぶべきケース
とはいえ、昔ながらの「後ろ乗り」を好むライダーや、特定のポジションに強いこだわりがある人にとっては、中古のフレームを探すのが最適な場合もあります。特にクラシックなクロモリフレームは長いトップチューブ設計が多く、後ろ乗りスタイルにフィットしやすいのが特徴です。
一方で現行フレームでもサドルレールやシートポストを工夫すれば、ある程度は昔のポジションに近づけることが可能です。
まとめ
ロードバイクのフレームサイズは「460mmや510mmが消えた」というよりも、設計思想や表記基準が変化した結果です。最近のモデルは前乗りを前提にした設計が多いですが、低身長ライダー向けのサイズは依然として存在しています。昔の後ろ乗りポジションを再現したい場合は中古フレームを探すか、現行モデルで調整を工夫するのが現実的な選択肢です。自身の乗り方や体格に合ったフレームを選び、快適なライディングを楽しみましょう。
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