握力トレーニングと一口に言っても、使用する器具や握り方によって鍛えられる筋肉は微妙に異なります。ハンドグリップや指専用のトレーニング器具は、どの筋肉に負荷を与えるのかを理解することで、より効率的に鍛えることができます。
ハンドグリップで主に働く筋肉
一般的なハンドグリップを握る動作では、基節骨と中節骨を中心にグリップ部分が当たり、手全体で握り込むような形になります。この場合、主に浅指屈筋と深指屈筋が強く使われます。特に浅指屈筋は中節骨を屈曲させる働きを持ち、連続的な握り込み運動で強化されます。
また、補助的に母指球筋群や小指球筋群なども使われ、握力全体の底上げにつながります。
指グリップ型で鍛えられる筋肉
一方で、指先で押し込むタイプのグリップトレーナーでは、末節骨を曲げる動作が中心になります。ここで主に働くのは深指屈筋です。深指屈筋は末節骨を直接屈曲させる唯一の筋肉であり、指先の力強さを高めるには欠かせません。
加えて、指ごとに独立して動かせるため、楽器演奏者やクライマーなど、繊細かつ持続的な指先の力を必要とする人にとって有効なトレーニングとなります。
両者の使い分けとトレーニング効果
ハンドグリップは「全体的な握力」を、指グリップは「指先の独立した力」を強化する性質があります。つまり、前者は重量物を握り込む力に、後者は細かい保持力や指のコントロールに直結します。
例えば、ウェイトリフティングや柔道など「握り込む力」を要する競技ではハンドグリップが有効です。反対にロッククライミングや楽器演奏のように「指先の保持力や独立性」が求められる場合は指グリップ型が効果的です。
実例:クライマーと格闘家の使い分け
クライマーはホールドを指先で保持するため、指グリップ型のトレーニングを積極的に行います。一方で格闘家は相手を掴みコントロールするため、ハンドグリップを用いた全体的な握力強化が重要です。両者は同じ握力トレーニングでもアプローチが異なる好例です。
まとめ
ハンドグリップは基節骨や中節骨を使い浅指屈筋と深指屈筋を中心に、指グリップは末節骨の動きで深指屈筋を特に強化します。目的に応じて器具を使い分けることで、握力をより効果的に鍛えることが可能です。総合的な握力を高めたいなら両方を組み合わせるのが理想的でしょう。
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