水泳は全身運動であり、健康づくりや体力向上に役立ちます。しかし、まったく泳げない人にとっては「どう始めればよいか」が大きな壁になります。ここでは初心者や指導に不安を持つ方に向けて、基本的な練習法やサポートの仕方をまとめます。
まずは水に慣れることから始める
泳げない人にとって最大の課題は「水への恐怖心」です。いきなり泳ぐ練習ではなく、水に顔をつける、息を吐く、バタ足をするなどの簡単な動作を繰り返すことが大切です。
例えば、プールの浅い場所で「水中で5秒間息を吐く」「壁につかまってバタ足を10回する」といった小さな目標を設定すると安心感が増します。
浮く感覚を体で覚える
泳ぐ前に「浮く」ことを知ることが重要です。ビート板を使って仰向けに浮いたり、プールの底に手をつけて体を浮かせる練習を繰り返しましょう。
特に背浮きはリラックスして取り組みやすく、水に対する恐怖を和らげる効果があります。
クロールの基礎動作に取り組む
クロールは初心者が最も挑戦しやすい泳法の一つです。いきなり腕を回すのではなく、まずはビート板を使ってバタ足を安定させる練習を行います。その後、片腕ずつ交互に動かす「片手クロール」でリズムを覚えるとスムーズです。
「腕を回せば前に進む」という考えではなく、「呼吸」「足のキック」「手のかき」をバランスよく意識することが上達の鍵です。
安全とモチベーションを重視する指導
指導する際は、できたことを褒めることが重要です。水中で顔をつけられた、3m進めた、といった小さな成果を認めることで自信につながります。
また、初心者はすぐに疲れるため、短時間の練習を複数回に分けて行う方が効果的です。
具体的な練習例
- 浅い場所で息を吐く練習を10回
- 壁につかまってバタ足を20秒
- ビート板を使って5mクロールのキック
- 片手クロールで5mを2回繰り返す
このようにステップを踏むことで、まったく泳げない人でも無理なく進歩できます。
まとめ
まったく泳げない人への水泳指導は「水に慣れる」「浮く」「基礎動作に分けて学ぶ」という3つの流れを意識することが大切です。無理に泳がせず、少しずつ成功体験を積ませることで、水泳が楽しいものへと変わっていきます。指導者自身が泳ぎに自信がなくても、段階的な練習を取り入れることで十分サポートできます。
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