腕を挙げたときに上腕二頭筋長頭腱が肩峰にあたり、痛みを感じることがあります。この症状は、肩周りの筋肉や腱に問題がある場合に見られます。この記事では、その原因と対策について詳しく解説します。
1. 上腕二頭筋長頭腱とは
上腕二頭筋長頭腱は、上腕二頭筋の一部で、肩の関節を動かす際に重要な役割を果たします。この腱は肩甲骨の前面から上腕骨の一部に繋がり、肩を前方に動かすために使われます。肩を挙げる動作では、この腱が重要な役割を担いますが、長時間または過度に使用することで痛みが生じることがあります。
肩を挙げたときに上腕二頭筋長頭腱が肩峰に当たり、圧迫や摩擦が生じることで、炎症を引き起こし、痛みを感じることがあります。
2. 痛みの原因:肩峰下インピンジメント
腕を上げたときに感じる痛みは、一般的に肩峰下インピンジメント症候群と呼ばれます。これは、肩峰(肩の骨の一部)と腱の間に圧力がかかり、腱が擦れることで痛みが発生する状態です。上腕二頭筋長頭腱は肩関節内で肩峰と接触する部分があり、これが繰り返し圧迫されると、腱に炎症や腱板損傷を引き起こすことがあります。
特にスポーツや重い物を持つ作業を行う場合、肩の動きが制限され、肩周辺の筋肉が硬くなったり弱ったりすることが原因でインピンジメント症候群が発生しやすくなります。
3. 対策と治療法
この痛みを軽減するためには、肩のストレッチや強化運動が有効です。特に肩周りの筋肉を柔軟に保ち、肩甲骨の動きを良くすることで、腱への圧迫を軽減することができます。物理療法やマッサージ、ストレッチングが推奨されることがあります。
また、鎮痛剤や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用することで、炎症を抑えて痛みを軽減できます。場合によっては、肩の可動域を広げるためのリハビリテーションが必要です。
4. 手術治療
保守的な治療(物理療法や薬物療法)で効果が得られない場合、手術を検討することもあります。手術では、腱や肩峰の摩擦を減らすために、肩の骨や腱の一部を削ることがあります。手術後は、リハビリを行いながら肩の機能回復を目指します。
まとめ
腕を挙げたときに上腕二頭筋長頭腱が肩峰にあたり痛む原因は、肩峰下インピンジメント症候群によるものであることが多いです。この症状を改善するためには、肩周りの筋肉を柔軟に保ち、リハビリや物理療法を行うことが効果的です。また、症状が改善しない場合は、手術を検討することもあります。早期の対応が大切です。


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