新日本プロレスのヒールユニットが、時折ベビー化していく現象を見かけることがあります。この現象は、ファンや関係者の間でも議論を呼ぶことが多いですが、実際にはさまざまな要因が影響しています。本記事では、その背景にある理由を解説し、なぜ他のヒールユニットがベビー化してしまうのか、またHOUSE OF TORTUREのように例外がある理由についても触れていきます。
ヒールユニットのベビー化が進む理由とは?
まず、ヒールユニットがベビー化する理由について考えてみましょう。プロレスにおけるヒール(悪役)とベビー(善玉)のキャラクターは、基本的に試合の進行において重要な役割を果たします。ヒールはファンから嫌われる存在であり、ベビーはファンから応援される存在です。しかし、プロレスのストーリー展開やファンの反応によって、ヒールユニットがベビー化していくことがあります。
その一因として挙げられるのは、ファンの応援の変化です。ヒールの選手が予想外の魅力を発揮した場合、ファンがその選手に対して親近感を抱くことがあります。例えば、強い意志を持ったリーダーシップや、ユニークなキャラクター性がファンに受け入れられることがあります。こうした要素が、結果的にヒールユニットをベビー化させるのです。
実際の事例:ヒールユニットのベビー化
新日本プロレスでは、ヒールユニットがベビー化した事例がいくつかあります。その一例として挙げられるのは、「バレットクラブ」のケースです。バレットクラブは最初、完全にヒールユニットとしてスタートしましたが、その後、特定のメンバー(例えばケニー・オメガやAJスタイルズなど)が魅力的なキャラクターとしてファンから支持され、徐々にベビー化していきました。この変化は、単にストーリーの展開だけでなく、選手の個々の魅力が影響していると言えます。
また、「CHAOS」ユニットも同様の経緯をたどりました。最初はヒールユニットとして活動していたものの、ユージン・オカダや石井智宏などが個々に持つ魅力が、ファンの支持を集め、結果的にユニット全体がベビー化していったのです。
HOUSE OF TORTUREが例外である理由
一方で、現在もヒールユニットとして強い存在感を放っている「HOUSE OF TORTURE」は、なぜ他のユニットのようにベビー化しないのでしょうか?その理由は、ユニットのキャラクター性とストーリー展開にあります。
HOUSE OF TORTUREは、リーダーであるEVILを中心に、徹底的に悪役としてのカラーを打ち出しています。彼らのストーリーは、あえて観客を不快にさせるような手法を取り入れ、ヒールの役割を果たしています。EVILやその仲間たちは、あえて過激な手段で試合を展開し、観客を挑発することに重きを置いています。そのため、ファンの反感を買いつつも、そのスタイルが受け入れられており、ベビー化を避けているのです。
ヒールvsヒールの試合が見られないことの残念さ
ヒールユニットがベビー化してしまうことで、ファンが期待している「ヒールvsヒール」の試合が減少するという問題もあります。ヒールユニット同士の対決は、プロレスの魅力の一つであり、観客にとっては新たなドラマが生まれる瞬間でもあります。しかし、ヒールユニットのベビー化が進むと、どうしてもその対決は少なくなり、試合のバリエーションが限られてしまうのです。
例えば、かつての「バレットクラブ」vs「CHAOS」のような対戦は、観客にとって非常に刺激的なものでした。しかし、これらのユニットがベビー化してしまうと、どうしても試合展開が予測可能となり、ヒールvsヒールの対戦が減ってしまうことがファンにとって残念な点でもあります。
まとめ
新日本プロレスにおけるヒールユニットのベビー化は、ファンの反応や選手個々の魅力が大きな要因となっており、ストーリーやキャラクターの変化に影響されます。また、HOUSE OF TORTUREのように、悪役キャラクターを貫き通すユニットがある一方で、他のユニットは徐々にベビー化していきます。ヒールvsヒールの試合が減少することが残念に感じるファンも多いかもしれませんが、それもまたプロレスの魅力の一部であるとも言えるでしょう。


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