ゴルフのスイングにおいて、ボールが右に曲がる動きは「フェード」と呼ばれ、左に曲がる動きは「ドロー」と呼ばれますが、なぜか右に小さく曲がるボールが「スライス」と呼ばれることが多いです。では、なぜこのような現象が起こるのでしょうか?また、スライスとフェードの違い、そしてその呼ばれ方について詳しく解説します。
1. スライスとフェードの基本的な違い
まずは、スライスとフェードの基本的な違いを理解することから始めましょう。スライスは、ボールが意図しない方向に過度に右に曲がってしまうことを指します。通常、スライスはミスショットであり、プレイヤーがボールを強く打ちすぎてフェースが開いたり、スイング軌道が外側から内側へとなった結果として発生します。
一方、フェードは、プロの選手が意図的に使用するショットのひとつです。フェードは、計算された右への曲がりを持ちながら、コントロールの効いたショットとなります。フェードを使う選手は、この微妙な曲がりを戦略的に利用して、グリーンへのアプローチをより精密にします。
2. フェードがスライスと呼ばれやすい理由
ゴルフの初心者やアマチュアプレイヤーにとって、右に曲がるボールはほとんどの場合「スライス」と呼ばれます。これは、スライスがボールが大きく右に曲がり、コントロールが効かないミスショットとしてよく認識されるからです。
そのため、少しでも右に曲がるボールに対して「スライス」と呼んでしまう傾向があり、フェードという意図的なショットは、知識が浅いプレイヤーには区別がつきにくいことが多いです。この誤解は、ゴルフの戦略的なプレーが理解されていない場合に起こります。
3. フェードとドローの持ち球としての役割
プロの選手の中には、フェードを持ち球として使う選手が多くいます。フェードは、風の影響を受けにくく、グリーンへの精密なアプローチを可能にします。そのため、フェードを使いこなす選手は、コンディションに応じたショットを繰り出すことができ、非常に強力な武器となります。
一方、ドローを得意とする選手も多く、特に長いドライバーショットで見られます。ドローは、ボールが少し左に曲がり、より遠くへ飛ばすことができるため、パワーを生かした攻撃的なプレーに最適です。
4. なぜスライスが悪名高いのか
スライスは、最もよく見られるミスショットであり、ゴルフプレイヤーにとっては悩みのタネです。スライスは予期しない方向にボールを飛ばすため、ティーショットやフェアウェイショットで距離を失ったり、OBを打つ原因となります。そのため、スライスを直すことがゴルフの基本的な修正ポイントとなり、あまり好まれません。
そのため、右に曲がるボールに対してはどうしても「スライス」と呼ばれがちですが、フェードとスライスはその動き方やコントロールの仕方が異なるため、技術的には区別が必要です。
5. まとめ
ゴルフにおけるスライスとフェードは、見た目は似ているものの、その意図的なコントロールやショットの質によって大きな違いがあります。初心者やアマチュアにとって、フェードがスライスと誤解されやすいのは、スライスが一般的に「ミスショット」として認識されているためです。しかし、フェードを意図的に使うことで、ゴルフプレイにおいて非常に有効な戦略となることを理解することが重要です。


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