柔道の寝技において、相手が平目(うつ伏せ)や亀の状態になった場合、返す方法は重要なテクニックの一つです。特に体重差がある場合(例えば、相手が90kg超、あなたが60kgの場合)には、力任せではなく技術とタイミングが必要です。この記事では、関節技や締め技を使わずに、これらの状態から相手を返す方法を解説します。
平目(うつ伏せ)からの返し方
平目の状態で相手がうつ伏せになっている場合、最も基本的な方法は、相手の背中を反らせることです。これには、腰の位置をうまく利用し、相手の重心を崩すことが求められます。
1. 相手の脇に素早く手を入れ、体を支えます。
2. 足を使って相手の股関節付近に足を掛け、引き寄せます。
3. 相手の体を自分の体側に引き寄せ、反らせるようにして返します。ここでは、タイミングと力の加減が非常に重要です。
亀の状態からの返し方
亀の状態(四つん這いのような姿勢)から相手を返す場合も、基本的には同様に重心を崩すことがカギとなります。しかし、亀の状態では相手が防御を固めていることが多いため、少し工夫が必要です。
1. 相手の背中を狙い、片手で相手の肩を掴みます。
2. 他の手で相手の胴体を制し、素早く足を使って相手の足元を引っ掛けます。
3. 体を相手の反対側に引き寄せることで、相手の体勢を崩し、背中を地面につけることができます。
力任せではなくテクニックを使う
体重差がある場合、力だけに頼ると無理な体勢になり、失敗する可能性が高くなります。力ではなく、相手の重心を意識し、タイミング良く力を入れることが必要です。特に、相手が体を硬くしているときこそ、無理に押し込むのではなく、相手を引き寄せたり、重心を崩す動きが効果的です。
また、相手が自分の重心を崩しにくい状態でも、微細な体重移動や足の使い方で相手を揺さぶることが重要です。これらの方法を練習することで、体格差を感じる場面でも有利に戦えるようになります。
練習で身につけるポイント
このような返し技は、練習での反復が欠かせません。特に、相手の動きに反応する形で技をかける「感覚」を養うことが重要です。また、スパーリングや実戦形式で相手の反応を見ながら練習することで、より実践的な技術が身につきます。
同じ状況でも、何度も練習していくことで、相手の動きに対する適応力が高まり、実戦での成功率が上がります。
まとめ
平目や亀の状態から相手を返す方法には、テクニックとタイミングが非常に重要です。体格差がある場合でも、力だけでなく、相手の重心を崩す感覚を養うことで有利に戦えるようになります。関節技や締め技を使わずとも、基本的な寝技の返し方をマスターすることが、柔道の上達につながります。


コメント