総合格闘技の選手が試合やスパーリングで手打ちになってしまう問題は、非常に多くのトレーナーが直面する課題です。特に元プロボクサーとして指導を行っている方にとって、この問題にどのようにアプローチすればよいのか、悩ましいところかもしれません。この記事では、手打ちから脱却するためのアプローチを解説します。
手打ちの原因とその対策
手打ちになってしまう原因は、下半身や腰を使った回転を意識せずに腕だけで打ってしまうことにあります。この問題を解決するためには、まず選手に意識を変えてもらう必要があります。体全体を使って打撃を行うために、足の踏み込みや下半身の回転を強調するトレーニングが効果的です。
そのため、ミットを使った練習だけでなく、シャドーボクシングや足の動きを重視したエクササイズを取り入れると良いでしょう。
ボクシングと総合格闘技の打撃の違い
総合格闘技では、ボクシングと違って相手が格闘技全般の技術を使うため、打撃だけに頼るわけにはいきません。しかし、打撃はあくまで戦闘の一部であり、手打ちの打撃が悪いわけではありません。ただし、打撃の威力や効率を上げるためには、腕だけでなく下半身や腰の回転を使った打撃が求められます。
「総合の打撃はこれでいい」という考えが広がるのは、技術的な理解が不十分な場合に多いですが、上達するためにはボクシング的な打撃技術も意識するべきです。
アプローチ方法:反復練習と体の使い方を意識した指導
選手が試合中に手打ちになる原因として、焦りや緊張も関係しています。ミット打ちやシャドーボクシングの練習だけでなく、試合を想定した実戦的な練習を織り交ぜ、選手がリラックスして体全体を使って打撃を行えるように指導しましょう。
具体的には、スパーリングやロールプレイングを多く取り入れることで、緊張感を持ちながらも体全体での打撃を習得できるようになります。
まとめ
手打ちの問題を解決するためには、選手に対してボディワークの重要性を繰り返し教え、実戦でその技術を試すことが不可欠です。総合格闘技における打撃は、ボクシングの技術を応用しながらも、下半身や腰を使った打撃を意識して練習を重ねることが最も重要です。技術は一朝一夕には身につきませんが、反復練習と実戦を通じて改善できる点は多くあります。選手と一緒にその過程を乗り越え、成長を促しましょう。


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