野球中継で「球威が強い」「パワーがある」といった実況を耳にすることがありますが、同じ速度でもピッチャーによって球が打たれにくいことがあります。例えば、160km/hのストレートを投げても、投げるピッチャーによっては打たれやすいこともあります。このような違いは何によって生じるのでしょうか?この記事では、同じ速さでも打たれにくいピッチャーと打たれやすいピッチャーの違いについて詳しく解説します。
球威とスピードの関係
球威は、単純にボールの速さだけではなく、その投球が持つ力強さや速さの感覚を指します。ピッチャーが投げる球速が速ければ速いほど、バッターにとってはタイミングを合わせるのが難しくなりますが、同じ速さでも球の「重さ」や「回転数」によって打ちやすさが変わることがあります。
例えば、160km/hのスピードで投げても、ピッチャーがボールにかける回転やコントロールによって、ボールの曲がり具合や伸びが変わります。そのため、球威が強いとされるピッチャーは、単に速いボールを投げるだけでなく、そのボールに「力強さ」や「威圧感」を感じさせる投球をします。
打たれにくいピッチャーの特徴
打たれにくいピッチャーの特徴は、ボールの「伸び」や「変化量」にあります。速いボールを投げるだけではなく、ピッチャーのボールが打者のバットに当たった際に「伸びる」感覚や、「逃げる」感覚があると、打者はタイミングを合わせにくくなります。
例えば、速球に加えて変化球を効果的に使い分けるピッチャーや、ボールに不規則な回転を加えて打者がバットをうまく合わせられないようにするピッチャーは、打たれにくくなります。さらに、ピッチャーのコントロール力も重要です。投球が低めや内角にきっちり決まると、打者の反応が遅れるため、打たれる確率が減ります。
打たれやすいピッチャーの特徴
一方で、打たれやすいピッチャーは、速さだけに頼りすぎて変化やコントロールに欠けることがあります。例えば、ストレートが速いだけではなく、変化球をうまく使えなかったり、制球が甘くなると、バッターに狙い打ちされることが増えてしまいます。
また、同じ速さのボールでも、ボールに「重さ」や「伸び」を感じさせない投手は、打者がタイミングを合わせやすくなり、打たれるリスクが高くなります。バットに当たる瞬間の「圧力」が少ないため、ボールが飛びやすくなることがあります。
球の「重さ」とは?
「球の重さ」とは、ボールにかかる回転や、ボール自体が持つ「伸び感」や「押し出し感」のことを指します。物理的な意味での重さとは異なり、打者がボールを打ったときの感覚として「重い」と感じるかどうかが重要です。
回転数が多く、スピンが効いたボールは、空気抵抗を受けてボールが打者の前で伸びるため、打者がうまくミートできないことが多いです。この「伸び感」を持つボールは、ただ速いだけでなく、打者のタイミングを狂わせるため、結果として打たれにくくなります。
まとめ
同じ160km/hのストレートでも、ピッチャーによって打たれにくいことがあるのは、ボールにかかる回転数や、球の「重さ」や「伸び」に関係しています。速いボールを投げるだけではなく、変化球の使い方やコントロール力、さらにボールの回転数などが打たれにくさに影響を与えます。打たれにくいピッチャーは、速さと共に、ボールの「威圧感」や「伸び」を感じさせる投球を実現しており、それが打者にとっては難解なものとなります。

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