軟式テニスから硬式へ転向し、「両手打ちバックハンド」がどうしても苦手…」「強く打てないけど、まずは狙ったところに返せるようになりたい」という方に向けて、実践的なポイントと練習の流れを整理します。教わる人が少ない環境でも、自習できるように意識の置き方からドリルまでを紹介します。
なぜ“狙ったところに返せない”感じがするのか
軟式テニスでは反発やボールの弾み方が硬式と異なるため、硬式に移ると「ボールの弾み」「スピード」「タイミング」が変わり戸惑うことがあります。特に、両手打ちバックハンドではタイミングや体の使い方が大きく影響します。
また、両手で打つ分だけ“手・腕・体”の役割分担が複雑で、「腕だけ振ってしまう」「体の回転が浅い」といった誤りが生じやすいです。しっかり体を使わないと安定しません。([参照](https://www.nuffieldhealth.com/article/tennis-double-handed-backhand-guide))
技術習得のために意識すべき4つの基本ポイント
まずは以下の4つを意識してフォーム改善を始めましょう。
- グリップと手の位置:両手打ちの場合、下側の手がコンチネンタル系、上側の手がフォアハンド寄りのグリップが一般的です。([参照](https://tennisgate.com/two-handed-backhand/))
- ユニットターン(体とラケットをひとまとまりで回転):腕の振りばかりで準備せず、体が横を向くことでラケットを背中に回すようなイメージが重要。([参照](https://www.feeltennis.net/fernando-verdasco-backhand/))
- コンパクトなスイング&インパクトの位置:振り幅を大きくしすぎず、体の前でしっかり捉えることで打点が安定します。
- 体重移動と足の使い方:体重を後ろ足から前足へ移しながら打つことで“狙い通りに返す”安定感が生まれます。
具体例:軟式経験者が硬式で修正すべきポイント
〈具体例〉以前、軟式から硬式に移った40代のプレーヤーが「腰の回転を使えていなかった」ためバックハンドが安定しなかったという事例があります。その方は「ラケットを振る」ことに意識が寄りすぎていました。
その後、「ユニットターンを意識して体とラケットを一緒に動かす」「打点を体のやや前にする」「打球後はフォロースルーで左肩を目標方向に出す」ことで、徐々に返球精度が上がっていきました。
練習メニュー:返球精度を高めるドリル3選
以下は、自習でも取り組みやすいドリルです。
- 【ドリル1】壁打ちで“両手”でのスイングだけに集中。グリップ・体の回転・腕の振り幅を確認。
- 【ドリル2】ボールマシンまたはパートナーからゆっくり来るストロークに対し、「コントロール優先」で左サイド→右サイドの交互位置に返す練習。
- 【ドリル3】通常ラリー形式で、相手(またはマシン)が浅め・深め・角度ありと変化をつけてくるボールに対して「狙ったラインをイメージ」しながら返球。成功/失敗の違いを記録して、打点や体の動きを振り返る。
よくあるミスと修正アプローチ
多くの初心者・転向者が犯しやすいミスと対処法を整理します。
- 腕だけで振ってしまう → 体や腰が使えていない証拠。修正:ボールを受けてから「体を横向きにする」準備動作を必ず入れる。
- 打点が体の後ろになってしまう → “来たところで打つ”意識が弱い。修正:早めに足を動かし、打点を体の前・腰の位置付近にする。
- フォロースルーが弱い・止まってしまう → 返すだけで済ませてしまう。修正:打球後“ラケットを先に目標に伸ばす”イメージを持つ。
まとめ
両手打ちバックハンドで「強く打つ」ことよりも「狙ったところに返す」ためには、グリップ・ユニットターン・打点・体重移動という“基本構造”を丁寧に固めることが大切です。軟式経験を活かしつつ、硬式ならではの体の使い方を取り入れれば、苦手意識を克服できます。
まずは今回紹介したポイントをひとつずつ確認し、自分の打法を意識して練習メニューに取り組んでみてください。決して大きな力を使わなくても、“コントロールできる”両手打ちバックハンドを身につけることができます。


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