イチロー選手使用グラブの革は「プレキシーエリートレザー」か? 〜素材表記とのギャップを読み解く〜

野球全般

グラブ購入時に「革:プレキシーエリートレザー/イチロー氏が愛用してきたレザーで馴染みやすさが特徴」という説明を見ると、つい「では実際にイチロー・鈴木選手が使っていた革も“プレキシーエリートレザー”なのか」と考えてしまいます。本稿では、この素材表記の真偽を、素材の公式説明や過去モデルの仕様から丁寧に確認し、購入検討時の参考となるよう「革の名称」と「実際に使用されていたモデル」それぞれを整理します。

革の名称「プレキシー(PREXY/PLEXY)」「キップ」「エリート」とは何か

まず、MIZUNOのグラブでよく見かける革名称について整理します。公式サイトでは「限定皮革シリーズ」として複数の名称を出しています。:contentReference[oaicite:2]{index=2}

例えば「PREXY KIP LEATHER(プレキシーキップレザー)」。これは「コシの強さと表面のグリップの利くようなタッチ感が特長」と紹介されています。:contentReference[oaicite:3]{index=3}

一方、「PREXY ELITE LEATHER(プレキシーエリートレザー)」と表記されることもあり、レビュー投稿などでは「しなやかさと表面のしっとりしたタッチ感が特長」などとも言われています。:contentReference[oaicite:4]{index=4}

また、「PLEXY KIP LEATHER(プレキシーキップレザー表記バリエーション)」という名称も、海外の販売情報などで確認できます。例えば“Plexi Kip Leather – Mizuno Pro Order Glove Ichiro Model”という出品記載があります。:contentReference[oaicite:5]{index=5}

つまり「プレキシー(PLEXY/PREXY)」「キップ(KIP)」「エリート(ELITE)」という名称はいずれも“MIZUNOの高級グラブ素材シリーズ”の中の仕様表記であり、細かな仕様違いや年代による呼称変化があると考えられます。

イチロー選手モデルの素材仕様を探る

次にイチロー選手が愛用してきたモデルがどの革を使用していたか、確認可能な範囲で見ていきます。

例えば、MIZUNO公式による「A51/Ichiro」シリーズの紹介では、このモデルが“イチロー×グラブ匠監修(監修者:岸本幸司)”によるものである旨が記載されています。:contentReference[oaicite:7]{index=7}

ただし、公式サイト上では「革:プレキシーエリートレザー」などの具体素材名称は明記されておらず、販売情報・カスタム注文情報など外部情報から“Plexi Kip Leather”あるいは“PREXY KIP/PREXY ELITE”という記載が見られるという状況です。例として、ebay出品情報で「Leather (Outer & Inner): Plexi Kip Leather」と記載されたイチローモデルがあります。:contentReference[oaicite:8]{index=8}

つまり、イチロー選手が現役時代(およびその監修モデル)に使用されていた革が「プレキシーエリートレザー」だという確固とした公式記録は、少なくとも公開されていないというのが現状です。

なぜ「プレキシーエリートレザー」という表記が使われるのか?

ここで、「なぜ販売説明欄に『イチロー氏が愛用してきたレザー』という文言が使われるのか」、その背景を考えてみましょう。

  • まず、イチロー選手がMIZUNO PROシリーズを長年使用してきた事実があり、ブランドとして“トップ選手が使ってきた革”という文脈で販売戦略的に説明がつけられている可能性があります。
  • 次に、「プレキシー系革(PREXY/PLEXY)」シリーズ自体が上位素材としてブランド内で位置付けられており、実際にプロ使用例も多く見られます。たとえば、レビューで「PREXY Elite Leather=トップ選手にも広く愛される皮革」などと紹介されています。:contentReference[oaicite:9]{index=9}
  • そのため、販売モデルに対し「この革=イチロー選手が使用してきた革」という紐付けを行うことで“信頼・価値”を訴求する意図があると考えられます。ただし、厳密に“当該革名称=イチロー愛用革”という保証までは確認できていない点がポイントです。

実例:素材名称の違いに注意すべきポイント

具体例として、下記のような違いが確認できます。

– イチロー監修モデルのある販売出品では「Plexi Kip Leather (Outer & Inner)」と記載。:contentReference[oaicite:10]{index=10}

– 他モデル販売ページには「PREXY ELITE LEATHER(馴染みやすい/しなやかさと表面のしっとりしたタッチ感が特徴)」という説明あり。:contentReference[oaicite:11]{index=11}

このように“Plexi Kip”と“Prexy Elite”と表記が混在しており、同じ“プレキシー”系革でも仕様・名称・時期により呼称が異なっている可能性があります。

そのため、購入を検討する際には以下の点に注意すると良いでしょう。

  • 掲載されている革名称(例:プレキシーエリート/プレキシーキップ)を確認する。
  • そのモデルが“イチロー監修”“岸本監修”などの記載なのか、実際に仕様が公表されているのかを確認する。
  • 素材名称が“=イチロー使用革”と断定して良いかどうかは、メーカー公表資料や信頼できる仕様表の確認を併せておこなう。

まとめ

結論として、販売説明欄にある「イチロー氏が愛用してきたレザー」という記載は、ブランド・販売側の価値訴求として理解できますが、**実際に当該モデルでイチロー選手自身が使用してきた革が“プレキシーエリートレザー”と公式に明記されているわけではありません**。

むしろ、“PREXY/PLEXY”という上位革シリーズの中で、仕様名称(キップ/エリート)や時期・出典によって名前が変化していると考えられます。したがって“プレキシーエリートレザー=イチロー御用達革”と単純に結びつけるのではなく、素材名称・モデル名・監修者情報を合わせて判断するのが適切です。

本記事が、グラブ革の名称を読み解く一助となり、より納得のいくモデル選びにつながれば幸いです。

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