バッティングセンターで何度打っても空振りや振り遅れ、ゴロになってしまう――そんな悩みを抱える方は多いです。例えば、足を高く上げてから少し後ろにステップして前に下ろして打つという動作(たとえば 山田哲人 選手風)を意識しても、タイミングが合わずに苦戦することがあります。本記事では、「いつステップを開始し」「どこで体重を移動し」「いつ振り出せば良いか」というタイミングの基本を整理し、実践的なドリルも紹介します。
バッティングの「動作フェーズ」を理解する
まずはバッティングを大きく「ロード(準備)→ステップ(足の動き)→スイング(振り出し)」という3つのフェーズに分けて考えましょう。
この流れを意識することで「足上げしてから迷って振る」といった無駄な動きを減らすことができます。たとえば「Load. Step. Swing」というコーチの言葉もあります。[参照]([turn0search5])
具体的には。
- ロード(Load):投手の手の動きやリリースを視界に入れつつ、バットを引く/腰を軽く落とすなど準備を整える。
- ステップ(Step):足を上げもしくは動かし、体重移動を始める動作。ここで体の重心がやや後ろに残っていると振り遅れの原因になります。
- スイング(Swing):前脚が踏み込まれ、体重が前脚へ移動、バットが振り出されてボールにコンタクト。
この3つが曖昧になると、足の上げすぎ・前への出すのが遅れ・振り出しが遅れてしまいます。なお、タイミング機構(Timing Mechanism)については「いつステップからスイングに移るか」を解説した資料もあります。[参照]([turn0search2])
「足を上げてから少し後ろに移動して…」という動作の落とし穴
足を上げてから「後ろに移動して」から「前に下ろす」という流れにはメリットがあります。例えばリズムやタイミングをつくることができます。一方で、うまくいかない場合には以下のような落とし穴があります。
- 足を上げた後の後ろ移動で体重が後ろ足、または後ろに残りすぎてしまい、 ボールを捉える時には前脚への体重移動が遅れ、 振り遅れや ゴロ打ちにつながる。
- ステップを早く出し過ぎてしまい、バットの振り出しが“待ち”の状態になり、「出る/止まる」のタイミングがずれてしまう。
- リズムが毎回変わるため、投手の手からリリースまでの“時間”に対してバッターの動作が同期できず、結果として「前に出すのが早すぎ」または「遅すぎ」になる。
上手くタイミングを取るためには「ステップ開始の合図を一定にする」「ステップから振り出しまでの時間を一定にする」ことが大切です。実際、タイミングを重視した指導では、投手の「手を上げた時/足を上げた時」をキッカケに動作を始めるという考え方があります。
[参照]([turn0search3])
タイミングを合わせるための具体的な練習ドリル
実践的にタイミングを取る練習として、次のようなドリルがおすすめです。
①「待ちステップ・スイング」ドリル
投手役(または機械)に手を上げてもらい、その合図であなたが足を上げ(または軽くステップ)始動→ステップ→前脚の着地と同時にバットを振る。このリズムを10〜20回繰り返し、自分のステップから振り出しまでの時間(一拍子)を体に覚えさせましょう。
②「バラツキ変化球対応」ドリル
投球スピードやタイミングをわざと変えてもらい、あなたはステップの合図を同じに保ちながら「速い/遅い」に対応できるよう動作を微調整します。これにより、実戦で“遅い球”“速い球”にも対応できるタイミング感が養われます。
どちらのドリルでも「ステップの合図」を明確に、毎回同じようにすることが重要です。そして、ステップを出したあとの前脚の着地=振り出しの合図という「リズム感」をつくることがポイントです。
「山田哲人選手の足上げ動作」と自分のリズムのつくり方
プロである山田哲人選手のように高い足上げを入れるスタイルは、リズムをつくるためには有効ですが、アマチュアでは“上げ過ぎ”や“テンポのズレ”が生じやすいです。そこで自分なりのリズムをつくるための工夫を以下に紹介します。
・足を上げる高さをやや控えめにしてみる(例:膝がベルトくらい)→足を上げるゆとりを残し、遅れを作らないようにします。
・足上げ→ステップのタイミングを投手の手や軸足の動きと結びつける。たとえば、投手が「グラブをセットする」「足を前に出す」など、動作の“合図”を自分のスタートの目安にすると良いでしょう。
・ステップからバットを振り出すまでの時間を「自分のテンポ=ルーティン」に設定しておく(例:足上げ→2拍目でステップ→3拍目で振り出し)
このように、「プロの動きそのまま」を真似るのではなく、「自分に合ったテンポ」でリズムを固定していくことが、タイミングを安定させる鍵です。
まとめ
バッティングにおける「足上げ→後ろ移動→前脚着地→振り出し」の流れで悩んでいる方は、まずステップ開始の合図を明確にすること、そしてステップから振り出しまでの時間を一定に保つことを意識してください。
リズムを体に刻むことで、タイミングのブレが減り、空振りや振り遅れ、ゴロ打ちといった悩みが大きく改善される可能性があります。
ぜひ今回ご紹介したドリルを活用して、ご自身のスイングリズムをしっかり整えてみてください。


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