MLBのシーズンMVP発表が遅い理由とは?投票の仕組みとその背景を徹底解説

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MLB(メジャーリーグベースボール)では、シーズン終了からかなりの時間を経てMVP(最優秀選手賞)が発表されることが多いです。「なぜこんなに時間がかかるのか?」「プレーオフの成績が影響してしまうのでは?」と疑問に思うファンも少なくありません。本記事では、MVP発表の仕組みや投票のタイミング、そしてその背景にある理由について詳しく解説します。

MLBのMVPとは:誰が、どのように選出しているのか

MLBのMVPは、アメリカ野球記者協会(BBWAA: Baseball Writers’ Association of America)の会員によって選出されます。各リーグ(ア・リーグとナ・リーグ)ごとに記者が投票を行い、その年最も価値のある選手を決定します。

投票はレギュラーシーズン終了時点の成績のみを対象としており、ポストシーズン(プレーオフ)の結果は一切考慮されません。これは公平性を保つために厳格に定められています。

MVP発表が遅いのはなぜ?実際の投票スケジュール

MVPの発表が遅くなる理由は、主に投票と集計のプロセスにあります。記者たちはレギュラーシーズン終了直後に投票を行いますが、その集計と検証には時間がかかるのです。

さらに、MVP以外にもサイ・ヤング賞、ルーキー・オブ・ザ・イヤー、マネージャー・オブ・ザ・イヤーなど、複数の賞が順番に発表されるため、MVPは最も注目度が高い賞として、11月中旬から下旬に発表されるスケジュールが組まれています。

つまり、「発表が遅い=決定が遅れている」わけではなく、すでに結果はシーズン終了直後に決まっており、発表のタイミングが意図的にずらされているのです。

ポストシーズンは関係ない理由

MLBでは、MVPを含む全ての個人タイトルはレギュラーシーズン限定で評価されます。これは、チームの成績やプレーオフ進出の有無によって個人の評価が偏らないようにするためです。

たとえば、2021年の大谷翔平選手のようにチームがプレーオフに進出できなかった場合でも、シーズン中の個人成績が圧倒的であればMVPに選ばれることがあります。この原則により、プレーオフの活躍が影響することは一切ありません。

発表を遅らせることの意図:注目度とマーケティング戦略

MLB機構は、MVP発表をポストシーズン後に行うことで、メディアの注目を持続させる狙いも持っています。ワールドシリーズが終わると、野球界はオフシーズンに突入しますが、その時期に主要な個人賞を順次発表することで、話題が途切れず、ファンの関心を維持できるのです。

この戦略により、メディア露出が増え、選手や球団のブランド価値を高める効果もあります。つまり、MVP発表のタイミングは単なる遅延ではなく、MLB全体のマーケティング戦略の一環として機能しているのです。

過去の実例:発表時期とファンの反応

例えば、2018年のムーキー・ベッツ(ア・リーグ)やクリスチャン・イェリッチ(ナ・リーグ)のMVP発表は、ワールドシリーズ終了から約3週間後に行われました。その間、SNSでは「誰が受賞するのか?」という議論が盛り上がり、発表当日は大きなニュースとなりました。

このように、発表をあえて遅らせることで、ファン同士の議論を活性化させる効果も狙われています。

まとめ:MVP発表が遅いのは「演出」と「公平性」のため

MLBのMVP発表がシーズン終了から時間をおいて行われるのは、単なる事務的な遅れではなく、公平な評価とメディア戦略の両立を目的としています。実際の投票はレギュラーシーズン終了時点で完了しており、ポストシーズンの成績は一切関係ありません。

つまり、MVP発表の「遅さ」はむしろMLBの伝統的な演出の一つであり、シーズンを締めくくる大切なイベントなのです。発表までの時間を、ファンとして楽しみに待つのも、野球の一部といえるでしょう。

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