1993年11月13日、東京・後楽園ホールで開催された「第1回骨法の祭典」。約束組手や演武形式の立ち関節技が繰り広げられたこのイベントを巡り、「これぞ本物の格闘技だ」という声と、「インチキ格闘技では?」という疑問が入り交じって語られています。本記事では、この大会の経緯・ルール・実際の映像から、格闘技としての評価と疑問点を整理します。
大会概要と試合形式
この大会は、いわゆる常設プロモーションによるものではなく、むしろ武術・武道寄りのイベント色が強いものでした。記録によれば、時間は10分制、〈本数勝ち/即時勝ち〉というルールが採用されていたという報告があります。([参照](https://ameblo.jp/chavezbodyblow/entry-12504972689.html))
例えば、当時の結果として「小澤賢 本数勝ち 7‑3 町田誠一郎」などが記録されており、一般的なプロ格闘技の「ラウンド制+ノックアウト勝利」という形式とは異なりました。([参照](https://ameblo.jp/chavezbodyblow/entry-12504972689.html))
観た人の反応:本物と思った派 vs 疑問を持った派
この大会を「本物の格闘技だ」と捉えた人は、関節技主体・立ち技主体の攻防という点や、多くを語られずとも“実技”として展開されたことに魅力を感じたようです。実際、YouTube等には〈第1回骨法の祭典(1993年)〉という映像も公開されています。([参照](https://youtu.be/t2pER0sCVOA))
一方で、「インチキ格闘技では?」という見方も根強くあります。ネット掲示板では「骨法ってインチキくさいよ」などの発言も。([参照](https://itest.5ch.net/kako/test/read.cgi/budou/991640074/)) その理由としては「打撃の衝撃が弱い」「組手形式・本数勝ちという採点ルールに疑問」「流派としての来歴や武術的体裁が強い」などが挙げられています。([参照](https://note.com/mogura2001/n/na7ee37a3674d))
格闘技としての“本物感”を問う視点
格闘技という文脈で「本物」を問うとき、通常は次のような要素が挙げられます:
①身体の打撃・衝撃が明確であること
②ルールが明確で、勝敗の基準が理解しやすいこと
③対抗する意志・防御・反撃がリアルであること
第1回骨法の祭典をこの視点から見ると、①について「掌底・関節技主体」という背景ゆえ、打撃・衝撃という観点ではプロキックやプロボクシングに比べると“迫力”や“明確なKO”という点ではやや弱く感じる人もいます。②については「本数勝ち/即時勝ち」という独特のルールが採用されており、それ自体が一般格闘技観衆にはなじみにくかったと考えられます。③については、演武色・武術色の強さがあり、“リング上の極限攻防”というより“武術的な見せ場”という印象を持つ人もいました。
武術派・武道派の側面とプロ格闘技との違い
この大会や流派 骨法 を巡って、「武術・武道」という言葉が多く用いられます。実際、流派系の議論では「昭和の時代に生まれた“武術”というイメージで語られることが多い」との記述もあります。([参照](https://note.com/mogura2001/n/na7ee37a3674d))
プロ格闘技すなわち “打撃+グラウンド+倒し/制圧” の流れとは別に、骨法の祭典では“立ち関節・掌底・武術的技法”が中心であり、プロモーション的な演出やセールス重視の体裁よりも、武道的・武術的表現に重きが置かれていた可能性があります。これが「格闘技だ」と評価するか、「演武的だ/興行的だ」と評価するかの論点になっています。
実例からみる欠点・疑問点
例えばイベント当時、選手装備にレガースと掌底用グローブが使われていたという記録があります。([参照](https://ameblo.jp/chavezbodyblow/entry-12504972689.html)) これは“フルコンタクト”格闘技における裸足・パンチグローブ・肘膝自由という条件とは大きく異なります。
また、ネット上でのユーザーレビューの中には「ちゃんとした格闘技経験があればインチキだとわかる」という意見も多く見られ、武術(伝統武道)とプロ格闘技の境界について疑問の声もあります。([参照](https://itest.5ch.net/kako/test/read.cgi/budou/1408338864/))
まとめ
「第1回骨法の祭典」は、確かに当時の格闘技/武術ファンにとってユニークで記憶に残るイベントでした。演武・約束組手に近い形式ながらも“勝敗”を伴っていた点では興味深い試みでした。しかし、「本物の格闘技」と呼ぶには、打撃・グラウンド・スタンドからの倒しまで含むプロ格闘技の一般的基準とは異なる印象が強く、観る人によって「これは格闘技だ」「これは演武・見せ物だ」という評価に分かれています。
したがって、この記事を読んだ皆さんにはこうお伝えしたいです:「この大会が“本物の格闘技”かどうか」だけを問い続けるよりも、「何を目的に観たのか」「何を期待したのか」を振り返ることが、より深く楽しむ鍵となるでしょう。


コメント