水泳やテニスなど肩を大きく使うスポーツでは、肩甲骨の使い方がパフォーマンスを左右します。しかし「肩甲骨を動かす感覚がない」という方も多いもの。今回は、肩甲骨は本当に能動的に動かせるのか、スポーツ動作における正しい意識について解説します。
肩甲骨は能動的に動かせるのか?
肩甲骨そのものには筋肉が付着していないため、骨だけで能動的に動くわけではありません。しかし、肩甲挙筋や僧帽筋、前鋸筋など肩甲骨につく多くの筋肉が連動して動かすことで、肩甲骨は能動的に動いていると言えます。
つまり、肩甲骨は「筋肉を通じて能動的に動かす」ものです。自分で意識して肩甲骨を寄せたり開いたりすることは、スポーツパフォーマンスに直結します。
スポーツ動作と肩甲骨の役割
肩甲骨は肩関節の動く土台(プラットフォーム)として機能します。腕を上げたり、回したりする際に肩甲骨が安定していることで、力を効率的に伝えることができます。
例えば、水泳のクロールではキャッチ動作からプル動作にかけて肩甲骨が開き、フィニッシュに向かう際には寄せる動きが起こります。この連動が強い推進力を生むのです。
肩甲骨を使う感覚がない理由
スイマーやテニス経験者の中にも、肩甲骨を動かしている感覚がない方は少なくありません。それは肩関節の可動域が広い場合、肩甲骨より腕の動きが先行し、肩甲骨が「従動的に」動いてしまうからです。
さらに、胸鎖関節や肩峰の動きに意識が集中してしまうことで、肩甲骨の動きが鈍くなることがあります。
肩甲骨の動きを感じるトレーニング
肩甲骨を意識するには、まず腕を使わず肩甲骨だけを動かす練習が効果的です。
- 肩甲骨を寄せる(内転)
- 肩甲骨を離す(外転)
- 肩甲骨を上げ下げする(挙上・下制)
- 前鋸筋を意識したプッシュアップ
例として、壁に手をついて腕を伸ばしたまま肩甲骨だけを前後させる練習は、動きを実感しやすいトレーニングです。
競技動作で肩甲骨を活かすコツ
ただ動かせるだけでは不十分で、動きと安定のバランスが重要です。肩甲骨が正しく動くことで、腕の軌道が安定し、ケガの予防やパワーの増幅につながります。
特にテニスのサーブやストロークでは、テイクバック時の肩甲骨の内転と、インパクト前後の外転がスムーズに連動していることが強力なスイングを生み出します。
まとめ:肩甲骨は意識すべき重要なパーツ
肩甲骨は能動的に動かせる関節システムの一部であり、スポーツ動作に大きな影響を与えます。肩が柔らかいスイマーほど、肩主導になりやすいため、肩甲骨を意識することがパフォーマンス向上とケガ予防の鍵になります。
まずは日常的に肩甲骨を動かす練習を取り入れ、スポーツ動作にも徐々に落とし込んでいきましょう。


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