打たせて取るピッチングの仕組みとは？ゴロを誘う投球のテクニック

野球でよく耳にする「打たせて取るピッチング」。一見、バッターが打つことにピッチャーが関与するように思えますが、実際にはピッチャーがバッターにゴロを打たせるための投球術を駆使しているのです。今回はそのメカニズムと、どのようにしてピッチャーがゴロを誘うのかを解説します。

打たせて取るピッチングとは

打たせて取るピッチングは、ピッチャーがバッターに強い打球を打たせず、ゴロを打たせることでアウトを取る投球法です。この方法では、バッターがボールをしっかりと捉えられず、地面にボールが跳ね返ることが多くなります。これにより、内野手が素早くゴロを処理してアウトにすることが可能です。

ピッチャーはバッターに対して、わざと低めに球を投げることでゴロを引き出す狙いを持っています。この投球スタイルは、特に守備力が高いチームにおいて有効です。

ゴロを打たせるためには、ピッチャーが投げる球種の特性が大きく影響します。特に効果的な球種としては、スライダー、カーブ、チェンジアップ、そしてフォークボールが挙げられます。

例えば、低めに投げたスライダーは、バッターがボールを下半分で打つことを誘うため、ゴロになりやすいです。また、フォークボールも低めに落ちるため、バッターがミスショットをするとゴロが生まれることが多いです。

ピッチャーは、球種だけでなく投げるコースにも工夫を凝らします。内角や外角低めに投げることで、バッターはボールを上手く打ち返すことが難しくなります。

例えば、外角低めに投げた球が外野に飛びにくく、内野手がゴロを捉えるチャンスを増やします。ピッチャーは、バッターの弱点を見極めて、どこに投げるかを慎重に決定することが求められます。

打たせて取るピッチングの大きなメリットは、アウトを速やかに取ることができ、試合のテンポを早める点です。また、ゴロを打たせることで飛球が少なく、失点リスクが低くなる可能性があります。

しかし、デメリットとしては、ゴロが悪送球や内野手のミスでエラーになった場合に失点に繋がることがある点です。また、バッターがゴロを打つことに慣れてくると、ピッチャーの配球が読まれるリスクも高くなります。

打たせて取るピッチングは、単に球種やコースを工夫するだけではありません。ピッチャーはバッターの打撃傾向をよく研究し、心理戦を仕掛けることが重要です。

例えば、バッターが強い打撃を見せる場面では、わざと変化球を多く投げることでバッターを惑わせ、ゴロを引き出すことができます。ピッチャーの配球を読ませず、常に変化をつけることがこの戦術を成功させるカギです。

打たせて取るピッチングは、ピッチャーがバッターにゴロを打たせるための戦略的な投球法です。これには、球種の選択やコースの工夫、バッターとの心理戦が大きく関わります。ピッチャーが巧妙に投げることで、内野手がゴロを捉え、試合の流れを支配することができるのです。