11月16日、関東大学ラグビー対抗戦で明治大学対帝京大学の一戦が劇的な展開で幕を閉じました。その中で〈最後の場面〉に明治大学が得た「ペナルティトライ」の判定について、「なぜそうなったのか?」がわかりにくかったという声も多かったようです。本記事では、その判定の背景となるラグビーの基本ルールを整理しながら、実際の試合シーンとどう対応するかを解説します。
ペナルティトライとは何か
ラグビーにおける〈ペナルティトライ〉とは、相手チームによる重大な反則行為、または「反則がなければ明らかにトライを奪えていただろう」場面において、主審がそのトライを認定して与える得点です。[参照]
具体的には、反則チームの妨害がなければボールキャリアーがインゴールに達し、地面にボールをつけてトライになっていたという状況を審判が判断したときに用いられます。FWモールやラインアウトの攻防中、相手が反則によってゴール直前のトライを阻止したようなケースが典型です。[参照]
試合最後の場面とペナルティトライ判定の流れ
この試合では、終盤に明治大学が自陣スクラムから相手陣へと攻め上がり、ラインアウトを起点にモールなどを繰り返しました。記事によれば「ラインアウトからの攻めで46分にペナルティトライを奪い」逆転勝利を決めたと報じられています。[参照]
この流れをルール視点で整理すると以下のようになります。①明治がトライ直前まで攻め込んでいた②相手(帝京大学)が明らかにゴール寸前で反則・妨害行為を行ったと主審が判断した③その結果、トライに至る可能性がほぼ明らかだったため、通常のトライとしてではなく「ペナルティトライ」が宣告された、という構図です。
「なぜ通常のトライではないのか?」という疑問に答えて
質問の中で「録画を何度観てもよくわからない」というのは、なぜ通常のトライとして得点が記録されず“ペナルティトライ”として扱われたかの理解が難しいためと思われます。
主な理由は次の通りです。
・トライ直前の攻撃で反則があった
・その反則がなければトライになっていたと審判が判断したという点が、通常のトライとの判定の決定的な違いだからです。つまり、トライ成立=攻撃勝利というよりも「ゴール直前での反則阻止」という防御側の反則に対して、攻撃側に明確な救済措置として与えられる点なのです。[参照]
実例を振り返る:モール・反則・判定の関係
例えばラインアウトでボールを確保し、モールを組んで押し込もうとしていた攻撃チームに対し、防御チームがモールを故意に崩したり、不正にプレーを妨害したりしたケースがあったとします。こうしたケースでは「もし妨害がなければトライになっていた」と審判が判断することがあります。
この試合の報道では「ラインアウトからの攻めで46分にペナルティトライを奪い」という記述もあり、まさにそのような「セットプレー起点のゴール直前での反則阻止」があったものと解釈できます。[参照]
観戦者として覚えておきたいポイント
観戦時に「ペナルティトライ」の判定を理解するためのポイントは次の通りです。
- 攻撃側がトライライン/ゴール前で継続的に攻めていたか
- 防御側が明らかにトライ阻止を目的とした反則を犯したか
- その反則がなければトライが成立していたと審判が判断できる状況だったか
録画で観る際には「セットプレー→ゴール前までの展開→反則笛」がセットになっているかどうかを意識すると、判定の意図がつかみやすくなります。
まとめ
今回の明治‑帝京戦での〈ペナルティトライ〉判定は、非常にギリギリの時間帯に明治がゴールに迫り、防御側の反則によってトライが阻止されたと主審が判断した結果として宣告されたものです。したがって「普通にトライになったのでは?」という疑問は、判定基準を知ることで腑に落ちる部分があります。
ラグビー観戦をさらに楽しむには、こうした「判定の背景・ルールの意図」を知っておくことが役立ちます。次回の試合でも、ゴール直前の攻防や反則の瞬間に注目してみてください。


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