NPBの“飛ばない球”でMLBを戦ったらホームラン数はどれくらい減る?50本超えはあり得るか

MLB

日本プロ野球(NPB)で“飛ばない球”とも言われる使用球を、もし米大リーグ(MLB)で用いたらどうなるのか――特に「ホームラン数がどれくらい減少するか」「年間50本超えの選手はいなくなるのか」という疑問に迫ります。球質・飛距離・環境の違いを整理して考察します。

NPBの使用球と飛距離/飛びやすさの違い

NPBとMLBでは使用するボールの仕様・素材・縫い目・外径などに微妙な違いがあります。例えば、NPBボールはMLBボールよりやや小さめ(8.875‑9.125インチ)という記載もあります。([参照](https://en.wikipedia.org/wiki/Baseball_%28ball%29))

加えて、NPBでは“飛ばない球”傾向についての報告もあり、2010年には「1試合あたりの本塁打数が1.1本以下」というシーズンもありました。([参照](https://www.baseballjapan.org/system/prog/news.php?i=211&l=e))

MLB環境で同じボールなら飛距離・本塁打数はどう変わるか?

MLBでは球場規模・風・飛球解析機器(Exit Velocity/打球角)などが進み、飛距離性能が高くなる傾向があります。一方、NPB用の“飛ばない球”をそのまま使用すれば、打球の飛距離・本塁打割合が下がることが理論的には予想されます。

ただし、学術的な研究では「NPBでも飛球角度・打球速度が高ければ長打・本塁打に結びつく」ことが示されており、必ずしも“飛ばない球=ホームラン激減”とは断定されていません。([参照](https://www.waseda.repo.nii.ac.jp/record/2000744/files/Gaiyo-9412.pdf))

仮に50本超えの選手が“飛ばない球”でMLBに挑んだら?シミュレーション的考察

例えば、MLBで年間50本以上のホームランを打つ選手がいたとして、使用球の飛び性能がNPB仕様になったと仮定すると、打球の平均飛距離が数フィート(数メートル)落ち、外野フェンス超えが少なくなる可能性があります。

そのため、50本超えという“基準”を達成するのは難易度がかなり上がると考えられ、仮説として「年間50本超えはいなくなる可能性もある」という結論が出せます。ただし、選手のスイング・打球速度・打席数・球場環境も絡むため、明確な数字で「○%減る」とは言えません。

環境・選手・球場の影響も加味して考えるべきポイント

ホームラン数は球だけでなく、球場の広さ/風/外野壁の高さ/選手の打撃力/打球速度など多くの要素に左右されます。これは“球が飛びにくい”環境であっても、実力ある打者が工夫すれば長打を打てるという観点も含みます。([参照](https://blogs.fangraphs.com/baseball-in-japan-is-surprisingly-similar/))

また、MLBには統計的な追跡データ(Statcast)があり、打球速度や角度などを重視する分析が盛んです。NPB球をその環境に投入すると、打者側は「飛ばない球用の打撃調整」が必要になる可能性もあります。

まとめ

結論として、NPBで使われる「飛ばない球」を仮にMLBで使用した場合、ホームラン数は確実に減少すると考えられます。そして、年間50本超えという数値を達成する選手は極めて限られるか、もしくは“ほぼ消える”可能性もあります。

ただし、この仮定は理論的なものであり、実際には選手・球場・環境・打法の変化が大きく影響します。そのため「絶対に50本は無理」とは断言できませんが、難易度が格段に上がることは間違いないでしょう。

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