インターバル走→つなぎ練→休足日→ロング走という流れで練習したところ、後半にペースが落ちて足が止まってしまった、というランナーの悩みをよく耳にします。今回は「なぜ10 km以降・17 km地点でペースダウンしてしまうのか」を、トレーニング構成、疲労蓄積、夜勤や休足日の影響も含めて整理していきます。
インターバル走の効果と疲労蓄積の関係
インターバル走は、速めのペースと回復(緩走など)を交互に行うことで、〈スピード持久力〉や〈LT(乳酸性作業閾値)/VO₂max〉の向上に効果的です。([参照]What is the purpose of an interval workout?)
ただし、追い込んだインターバルの直後にロング走を行うと、疲労が完全に抜けていない状態で高負荷を連続させることになり、筋・神経・代謝系に“累積疲労”が発生しやすくなります。([参照]The 4 Most Important Run Training Sessions In Your Week)
“つなぎ練習”と休足日の意味と、夜勤の影響
つなぎ練習(易しいペースのラン)は、回復を促しつつ走ることで、疲労回復促進や血流改善に役立ちます。とはいえ、これだけでは完全な回復とは言えず、休足日が重要です。([参照]How to Rest During Interval Workouts)
さらに、夜勤といった“睡眠・生活リズムの乱れ”も疲労回復を妨げる大きな要因です。夜勤明け・夜勤中では筋肉の修復・ホルモン(例:成長ホルモン・コルチゾール)のバランス・神経回路の回復が通常の状態より遅れがちです。そのため、休足日を設けつつも夜勤がある場合には、実質的に“疲労回復時間が不十分”となる可能性があります。
ロング走で17 kmあたりで足が止まった原因を読み解く
あなたの場合、10 km以降からペースダウンし、17 km程度で足が止まったとのことですが、これは以下のような複数要因が重なった可能性があります。
- インターバル走の疲労が完全に抜けていない状態でロング走開始
- つなぎ練習→休足日の間に夜勤が入っており、睡眠・回復が不十分
- ロング走で想定以上の距離(20 km予定)を走ろうとしていたが、累積疲労のために10 km以降から“走りながら回復”できずペース維持が難しくなった
このような状態では、17 kmという“疲労の閾値”に達したタイミングで脚や神経の動きが鈍り、身体が「今日はこれ以上進めるエネルギーがない」とサインを出した可能性があります。
対策:回復を優先させるための練習設計と休養管理
まず、インターバル走→ロング走のような高負荷→長距離という組み立ての場合、間に十分な回復日数を設けることがカギです。例えば、インターバル走の翌日を完全休養、次につなぎ練→休足日→ロング、という流れが理想的です。([参照]Exactly What to Do On Your Rest Days)
加えて、夜勤などで生活リズムが乱れた日は、ロング走の距離を少し落としたり、ペースを控えめに設定して「身体に余裕を作る」ことも有効です。具体的には、20 km予定を15〜17 km、またはペースを少し遅く・フォームを意識して走るなどの調整が考えられます。
練習構成の見直し:インターバル数・頻度・強度の最適化
インターバル走を始めたばかりの段階では、設定回数・強度ともに慎重に進めることが重要です。例えば、週1回インターバル走を実施し、その翌日は必ず休足日または非常に軽いジョグにする、というルールが一般的です。([参照]What is interval training?)
また、インターバルの代表的な構成(例:1 km 4分後半+3分緩走×5)が身体に与える負荷がどれほどかを自分で把握し、「この後2日以内に疲労が残るか/翌日もペース維持できるか」を確認すると、長距離走との組み合わせがうまくいきます。
まとめ
ロング走で17 kmあたりで足が止まってしまった背景には、インターバル走という高負荷トレーニング→生活リズムの乱れ→回復不足という“複合的な疲労”が大きく影響している可能性があります。回復日を適切に設け、夜勤などでリズムが乱れた日は練習強度・距離を調整することで、安定した長距離走力を養っていきましょう。
次回のロング走では「前日の回復状態をチェック(睡眠・疲労感・脚の張り)」「ペース・距離を少し控える」という意識を入れて、身体に余裕を持たせた状態でスタートしてみてください。


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