東北大震災時の中～小型船舶の被害状況：漁船・プレジャーボートへの影響と津波による損傷リスク

2011年の東北大震災は、東北地方の海上にも大きな影響を与え、特に中型・小型船舶に対する被害が深刻でした。津波による影響で、漁船やプレジャーボート、さらにはマリーナや保管施設にも甚大な損傷が発生しました。本記事では、震災時の船舶への被害や、陸揚げ保管と係留保管の違いについて解説します。

① 大きな津波被害を受けたエリアの漁船やプレジャーボートの被害状況

東北大震災では、津波が沿岸部に甚大な被害をもたらし、特に漁船やプレジャーボートが大きな影響を受けました。多くの漁船が漁港内で大波に巻き込まれ、破壊され、特に津波の影響を直接受けたエリアではほとんど全壊に近い被害を受けた事例が報告されています。

漁港やマリーナ内に係留されていた船は、津波による水位の急激な上昇で一気に押し流され、沈没や転覆、破損を免れたものは少なかったとされています。塩竈や仙台、岩手沿岸部などでは、これらの被害が特に顕著でした。

塩竈周辺には、陸揚げ保管されているプレジャーボートやマリーナが多く存在していますが、津波による影響は予想以上に大きかったです。特に、陸揚げ保管のマリーナでは、津波の波が想定を超える高さに達し、陸上に保管されていた船も流されるなどの被害を受けました。

陸上に保管されていた場合、海水が直接かからない分、津波の影響を免れる場合が多いものの、津波の力で船が転倒したり、倉庫や保管施設が破壊されたりすることがありました。塩竈周辺では一部施設が再建されるまでに時間を要したことが報告されています。

津波による船舶の損傷リスクは、係留保管と陸揚げ保管で大きく異なります。係留保管では、船が海水に浸かっているため、津波が来るとすぐに船が波に飲み込まれる可能性が高く、沈没や転覆のリスクが非常に高いです。また、波の力で船が互いに衝突し、さらに損傷が拡大することもあります。

一方、陸揚げ保管では、津波の直接的な影響は受けにくいものの、波の力で陸地に向かって押し寄せる場合、船やその保管施設が破壊されることがあります。したがって、どちらの保管方法にもリスクはありますが、陸揚げ保管の方が直接的な水害からは守られるケースが多いです。

東北大震災では、多くの漁船やプレジャーボートが津波によって壊滅的な被害を受けました。特に係留保管されていた船舶が津波の影響を強く受け、ほとんどが沈没または転覆しました。また、塩竈周辺の陸揚げ保管施設も、津波の力によって損害を受けることがありました。

今後の対策としては、船舶の保管方法や、津波に対する事前の備えが重要です。再建にあたっては、より強固な保管施設や、津波を想定した対策を講じることが求められます。