「釣り好きの人は長掌筋(ちょうしょうきん)が発達している」といった話を聞くことがありますが、結論から言うと科学的な証拠は少なく、釣りで特に長掌筋だけが発達するという明確な根拠はありません
長掌筋とはどんな筋肉?
長掌筋は前腕の浅い位置にある細長い筋肉で、手首を曲げる(掌屈)動作に関与しますが、手首を曲げる筋肉は他にも多く存在します。 [参照] さらに、人によってはこの筋肉が左右どちらか、あるいは両方とも欠損していることがあります。 [参照]
実際、長掌筋がない人でも日常生活やスポーツで大きな支障がないとされるため、進化的に“不要筋”とされることもあります。 [参照]
長掌筋と握力・前腕筋の関係
研究によると、長掌筋の有無が強い握力に大きな影響を与えるとは証明されていません。一部の研究では、前腕の屈筋群に長掌筋が存在しても、存在しない場合と比較して握力に大きな差が出ないという結果が報告されています。 [参照]
また、学術的な検討でも、手首の機能や上肢全体の機能を比較した研究では、長掌筋の有無が顕著な機能差を生まないという報告もあります。 [参照]
釣りにおける筋肉の使われ方とは?
釣りは、竿を握る持続的な握力、リールを巻く動作、キャスト時の体幹と腕の連動など、前腕全体や上腕・肩甲帯を使う複合的な運動です。このため、前腕の屈筋群全体や体幹・上肢の筋群が作用します。
握力や持続的に手首を使う動作が長い時間続くと、前腕全体の筋肉や腱が発達しやすくなりますが、**特定の筋肉だけが発達するというよりは、複数の筋肉が協調して強化される傾向があります**。
長掌筋が釣りで特に発達する根拠は?
現時点での研究では、長掌筋が釣りのような刺激で特に発達するとする報告は確認されていません。長掌筋自体は前腕の筋肉の中では比較的弱い補助的な役割であり、手首を屈曲する主たる力は橈側手根屈筋や尺側手根屈筋などが担います。 [参照]
そのため「釣り好きの人は長掌筋が発達している」というのは、直接的な科学的裏付けが乏しく、**釣りで手首や前腕が使われる頻度が高いので、前腕全体の筋肉が鍛えられることがある、という程度の理解が妥当**です。
まとめ:釣り好きと長掌筋の関係
結論として、長掌筋が釣り好きの人に特に発達しているという明確な証拠はありません。長掌筋は前腕の補助的な筋肉であり、その有無や発達具合が握力やスポーツ能力に大きな影響を与えるわけではないとされています。 [参照]
釣りによって前腕全体や握力に関連する筋肉が使われることはありますが、それは主に全体の前腕筋群や持続的な握りのための筋群であり、長掌筋単体の発達を意味するものではありません。


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