フィギュアスケートのプログラムには、ジャンプの順番にも戦略があります。ただ単に“高い点が取れるジャンプを最初に”という単純なルールではなく、技術的な入り方や得点構成、流れを考慮して組み立てられています。岡万佑子選手が冒頭で3回転ルッツ+3回転トゥーループ(3Lz+3T)、その後にトリプルアクセル(3A)を跳ぶ構成についても、こうした戦略的な理由からです。
ジャンプの価値とプログラム構成
ISU(国際スケート連盟)の得点体系では、各ジャンプには基本点が設定されており、難易度やジャンプの種類によって得点が異なります。また、コンビネーションジャンプ(例: 3Lz+3T)は単独ジャンプの合計点より高い価値になる場合があります。
トリプルアクセル(3A)は前向きに踏み切る唯一のジャンプで、3.5回転になるため、難易度が高く高得点が期待されます。しかしその分、成功率や安定性の面でリスクが高く、最初に入れるよりも、選手が十分にウォーミングアップをしている後半に入れるケースもよくあります。
“3Lz+3T”を最初に置く利点
コンビネーションジャンプは、最初のジャンプの助走やエッジの入り方をうまくつなげることで、より安定した成功率が得られます。3Lz+3Tは技術的に流れがつかみやすく、最初に入れることでプログラム全体の印象を良くします。
このように、まず比較的安定したコンビネーションジャンプを決めることで、演技構成点(PCS)や勢いをつけ、のちに来る高難度ジャンプに備えるという心理的・技術的効果もあります。
トリプルアクセル(3A)の位置と狙い
多くの選手が3Aをプログラムの前半に持ってくることがありますが、必ずしも“最初であるべき”というルールはありません。選手やコーチは、演技全体の流れや確実性、体力配分を考えて跳ぶ位置を決めています。
岡万佑子選手の場合、3Lz+3Tで勢いをつけた後に3Aを狙うことで、集中力と体の準備が整った状態で最も難しいジャンプを成功させるプランとなっています。演技冒頭でコンビネーションジャンプを決めることで、審判へのアピールにも繋がります。
実例:ジャンプ順序の違いと得点戦略
他の選手でも、冒頭に比較的安定したジャンプを入れてから高難度ジャンプを配置する例は見られます。例えば、ある選手がルッツやフリップのコンビネーションから入り、その後アクセルや4回転ジャンプにチャレンジするケースなどです。
このように、ジャンプの順番は単純な“高得点ジャンプを先に”という発想だけではなく、演技の流れや成功率、プログラム構成を総合的に考えた戦略です。
まとめ
岡万佑子選手が最初に3Lz+3Tを跳び、二つ目にトリプルアクセル(3A)を入れるのは、技術的・戦術的な構成の結果です。コンビネーションジャンプで勢いと安定感を得てから、高得点ジャンプに挑むことで成功率を高め、演技全体の印象を良くする意図があります。
単純に“難しい技を最初に”という考え方だけでなく、ジャンプの流れや得点戦略を理解することで、フィギュアスケートのプログラム構成の奥深さが見えてきます。


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