近年のNPB(日本プロ野球)において、センターの選手は俊足で率を残すタイプが多く見られますが、かつてのように「俊足・高打率・パワー」を兼ね備えた選手、例えば秋山翔吾のような選手は少なくなったように感じます。なぜそのような選手が少なくなったのでしょうか?この問題について掘り下げてみます。
1. 現代のセンター選手像
近年のNPBでは、センターの選手に求められるスキルが変わってきています。特に、盗塁や守備に強みを持つ選手が多く、走塁や守備範囲が重視されています。代表的な選手には、周東佑京(福岡ソフトバンクホークス)、近本光司(阪神タイガース)、岡林勇希(中日ドラゴンズ)などが挙げられ、いずれも高い走塁力と守備能力を持ち、打撃よりも走力と守備に特化した選手が増えてきました。
2. 秋山翔吾の全盛期とその希少性
秋山翔吾は、俊足で高打率、さらに20本塁打を超えるパワーを持つ数少ない選手でした。特に、打撃面では.300を超える打率に加え、毎年20本以上のホームランを記録し、盗塁も20個以上を記録するなど、まさに「三拍子揃った」選手でした。しかし、現代のNPBでは、こうしたバランスの取れた選手が少なくなってきている理由について、いくつかの要因が考えられます。
3. 近年の野球における「専門化」の傾向
現代の野球では、選手の役割がより専門化しています。例えば、盗塁に特化した選手は走塁に注力し、打撃力は控えめであっても成功を収めることができます。また、打撃に特化した選手は守備や走塁の能力を犠牲にしてでも打撃力を高める傾向が見られます。これにより、「全てを兼ね備えた選手」が減少し、それぞれの分野で突出した選手が増える結果となりました。
4. 球場の広さと打撃に与える影響
NPBの球場は、メジャーリーガーがプレイする球場に比べてサイズが小さめであり、特にセンターの選手に求められる「長打力」の要素が少なくなっています。球場が狭いため、ホームランを打つ能力がさほど重視されず、その分走塁力や守備力が強調される傾向にあります。このことが、秋山翔吾のような「三拍子揃った」選手を育成しづらくしている一因とも言えるでしょう。
まとめ
現代のNPBでは、センターの選手に「走塁と守備力」に特化した選手が増え、全盛期の秋山翔吾のような選手が少なくなった背景には、野球の専門化と球場の影響があると考えられます。これからの時代、パワーと走塁を兼ね備えたセンターの選手が出現することを期待したいですが、現状では特化型選手の方が多く見られる傾向にあると言えるでしょう。

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