井上尚弥の適正階級はどこか？バンタム級からスーパーバンタム級、そしてフェザー級への挑戦を考察

日本ボクシング界の至宝・井上尚弥選手は、ライトフライ級からスーパーバンタム級まで4階級を制覇し、現在はスーパーバンタム級で4団体統一王者として君臨しています。彼の適正階級はどこにあるのか、バンタム級時代から現在、そして将来のフェザー級挑戦までを通じて考察します。

バンタム級での黄金時代

2018年にバンタム級に転向した井上選手は、ジェイミー・マクドネル戦での初戦から1回TKO勝利を収め、その後もエマヌエル・ロドリゲス、ノニト・ドネア、ポール・バトラーといった強豪を次々と撃破し、4団体統一を達成しました。

この階級では、試合序盤でのKO勝利が多く、平均決着ラウンドは4.4回と圧倒的な強さを見せつけました。バンタム級での彼のパフォーマンスは、まさに黄金時代と呼ぶにふさわしいものでした。

バンタム級での統一後、井上選手はスーパーバンタム級に階級を上げ、2023年にはスティーブン・フルトン、マーロン・タパレスを破り、再び4団体統一を達成しました。

彼のフィジカルトレーナーである高村淳也氏は、スーパーバンタム級での井上選手の体格や筋肉量、減量のバランスが非常に良いと評価しています。実際、バンタム級時代よりも自然な体重で試合に臨めており、パフォーマンスの向上が見られます。

2025年には、井上選手がフェザー級への挑戦を視野に入れていることが報じられました。彼自身も「フェザーで戦う体ができあがっている。可能だと思う」と語っています。

前日計量から当日までに約7.7キロ増やし、試合当日の体重が62.9キロに達したことからも、フェザー級での戦いに向けた準備が進んでいることが伺えます。

元WBC世界ライトフライ級チャンピオンの木村悠氏は、井上選手のスーパーバンタム級でのパフォーマンスを高く評価し、「スーパーバンタム級こそがベストな階級」と断言しています。

また、大橋会長も「井上は4階級上のスーパーバンタム級が適正階級」と以前から公言しており、彼の成長とともに階級を上げていくことが自然な流れであると考えています。

井上尚弥選手のキャリアを通じて見ると、バンタム級での圧倒的な強さ、スーパーバンタム級での自然なフィジカルとパフォーマンスの向上、そしてフェザー級への挑戦意欲から、彼の適正階級はスーパーバンタム級であると考えられます。

しかし、彼の成長とともに階級を上げていく姿勢や、フェザー級での戦いに向けた準備を見ると、将来的にはフェザー級でも成功を収める可能性が高いと言えるでしょう。