デグローム初回6失点、ウィーラー5失点、グラスノー3失点…MLBの一流投手が初回に大量失点する理由を比較

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MLBではエース級の先発投手であっても、試合開始直後に大量失点することがあります。2026年8月24日にはザック・ウィーラーがマリナーズ戦の初回に5失点し、翌25日にはジェイコブ・デグロームがホワイトソックス戦で初回6失点。一方、同日のタイラー・グラスノーもブレーブス戦の初回に3点を失いました。

数字だけ並べると「6失点、5失点、3失点」という強烈な比較になりますが、もちろん3失点だったグラスノーが「小物」という話ではありません。むしろ、この3試合を比較すると、一流投手でも初回に崩れる理由や、大量失点を評価するときに見るべきポイントが分かりやすく見えてきます。

デグロームは初回6失点、ウィーラーは5失点、グラスノーは3失点

まず実際の試合内容を整理しておきましょう。8月25日のレンジャーズ対ホワイトソックス戦では、レンジャーズ先発のデグロームが初回につかまり、ホワイトソックスに6点を奪われました。ブレントン・ドイルの2点適時打によってスコアが6-0になったこともMLB公式の試合情報で確認できます。[参照]

8月24日のフィリーズ対マリナーズ戦では、ウィーラーが初回に5失点。フリオ・ロドリゲスに3ラン、カル・ローリーに2ランを浴びました。さらにウィーラーは最終的に4回0/3を投げて8失点となり、4本塁打と5四球を許す厳しい登板になりました。[参照]

そして8月25日のドジャース対ブレーブス戦では、グラスノーが初回に3失点。マウリシオ・デュボンとマイケル・ハリス2世の適時打、オジー・アルビーズの犠牲フライで3点を失っています。[参照]

投手 日付 相手 初回失点
ジェイコブ・デグローム 8月25日 ホワイトソックス 6
ザック・ウィーラー 8月24日 マリナーズ 5
タイラー・グラスノー 8月25日 ブレーブス 3

グラスノーの3失点は「小物」どころか事情がかなり違う

6失点のデグローム、5失点のウィーラーと並べると、3失点のグラスノーが妙に少なく見えてしまいます。しかし、この比較は半分ジョークとして楽しむべきもので、投手としての評価を失点数だけで決めることはできません。

特にグラスノーには重要な事情があります。この登板は5月上旬以来となるメジャー復帰登板でした。60日間の負傷者リストから復帰した直後であり、通常のローテーションを守ってきた投手の登板とは前提条件が異なります。

しかもグラスノーは初回に3点を失いながら、そこで完全に崩壊したわけではありません。3点目はアルビーズの犠牲フライで、初回最後の打者マイク・ヤストレムスキーは判定変更を経て三振となっています。初回3失点は良いスタートではないものの、6失点や5失点と単純比較して投手の格を判断できる内容ではありません。

ウィーラーの5失点は内容を見るとかなり厳しかった

3試合の中でも、内容面で特に気になるのがウィーラーです。初回にロドリゲスとローリーから2本塁打を浴びて5点を失っただけでなく、その後も失点を重ねています。

MLB公式によると、ウィーラーはこの試合で8失点、4本塁打、5四球。さらに初回に許した4安打はいずれも打球速度100mph以上で、Statcastによる計測開始以降、ウィーラーが同一イニングに100mph以上の安打を4本許したのは初めてでした。

また、この試合までの4登板で15四球を与えており、本人も質の高いストライクを安定して投げられる球種が限られている趣旨のコメントをしています。したがって、ウィーラーの場合は「たまたま初回だけ運悪く5点取られた」と片付けるより、最近の制球や投球内容まで含めて見る必要がある登板でした。[参照]

なぜ一流投手でも初回に大量失点するのか

先発投手にとって初回は意外に難しいイニングです。試合前のブルペン投球と実戦では環境が異なり、マウンドの感触、球速、変化球の曲がり、ストライクゾーンなどを実戦の中で微調整する必要があります。

一方の打線は、当然ながら1番から始まります。つまり基本的には相手チームが組んだ上位打線と対戦することになります。出塁能力の高い打者や長打力のある主力打者が早い段階で登場するため、わずかな制球ミスが連打や本塁打につながりやすくなります。

例えば先頭打者を四球で出し、続く打者に単打、クリーンアップに長打を許せば、それだけで2~3失点になる可能性があります。そこから投手がストライクを取りにいって甘くなれば、さらに大量失点へ発展します。「エースだから大量失点しない」のではなく、エースでも悪い球が数球続けばMLBの打者には容赦なく打たれるということです。

初回失点だけで投手の出来を評価してはいけない

投手の登板を評価するときは、初回の失点だけではなく、その後どう立て直したかを見ることも重要です。初回3失点でも、その後6回まで無失点なら試合を作ったと評価できるケースがあります。逆に初回1失点でも、その後も毎回走者を背負って5回途中6失点なら苦しい登板です。

また、自責点だけでなく、被安打、四球、奪三振、本塁打、球数、球速、空振り、ハードヒットなどを見ることで「なぜ失点したのか」が分かります。守備のミスや不運な当たりが連続した3失点と、四球から長打を連発された3失点では内容がまったく違います。

特に現代MLBではStatcastによって打球速度や期待打率なども確認できます。単純な防御率や失点だけでは見えなかった投球内容まで比較できるため、1イニングの数字だけで選手の状態を断定しないことが大切です。

デグローム、ウィーラー、グラスノーほどの投手でも炎上は起こる

今回面白いのは、名前だけなら大量失点とは結びつきにくい投手が短期間にそろって初回につかまった点です。デグロームはサイ・ヤング賞受賞歴を持つMLBを代表する投手で、ウィーラーも長年トップクラスの先発として活躍してきました。グラスノーも健康時には高い奪三振能力を持つ先発投手です。

それでも初回6失点、5失点、3失点という試合は起こります。野球では一流投手といえども毎試合完璧に投げられるわけではなく、相手打線との相性、当日の制球、球威、配球、打球の飛んだ場所など多くの要素が結果を左右します。

だからこそ、今回の3人を「初回失点ランキング」として見るならデグローム6点、ウィーラー5点、グラスノー3点となりますが、投手としての優劣を示すランキングではありません。グラスノーが3失点で「まだまだ」といった見方は、あくまで野球ファン同士のネタとして楽しむのが適切でしょう。

まとめ

2026年8月24~25日は、ウィーラーが初回5失点、デグロームが初回6失点、グラスノーが初回3失点と、実績ある投手が相次いで立ち上がりにつかまる珍しい並びになりました。

数字だけならデグロームの6失点が最大ですが、ウィーラーは最終的に8失点し、4本塁打と5四球を許すなど登板全体でも厳しい内容でした。一方のグラスノーは長期離脱からの復帰登板という事情も考慮する必要があります。

初回の失点数は目を引く数字ですが、それだけで投手の実力や登板内容は判断できません。失点の過程、その後の立て直し、四球や奪三振、打球内容、そして登板前のコンディションまで確認すると、同じ「初回炎上」でも中身が大きく異なることが分かります。

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