阪神・藤川監督はなぜ接戦でドリスを使う?防御率1点台でも「怖く見える」理由と木下・工藤・石井復帰後の継投を分析

プロ野球

2026年の阪神タイガースでは、ラファエル・ドリスが接戦の終盤を任される場面が多くあります。走者を出してピンチを招く登板もあるため、見ている側としては「なぜここでドリスなのか」と不安になることもありますが、シーズン全体の数字を見ると印象とは少し違った姿が見えてきます。

2026年8月27日時点でドリスは42試合に登板し、2勝3敗、19セーブ、14ホールド、防御率1.80。40イニングで自責点は8しかありません。つまり、走者を出して冷や冷やする場面はあっても、実際にはかなり高い確率で失点を防いできたリリーフです。[参照:阪神タイガース公式・ラファエル・ドリス2026年度成績]

一方で、現在の阪神ブルペンは木下里都、工藤泰成が急成長して勝ちパターンを担い、左アキレス腱断裂から復帰を目指している石井大智も二軍で実戦登板を再開しています。藤川球児監督がドリスを接戦で使う理由は、単純なドリスへのこだわりというより、シーズン終盤を見据えながら複数のリリーフを組み合わせるブルペン運用として考えると理解しやすくなります。

  1. 8月27日の中日戦ではドリスが1点リードの8回を担当
  2. ドリスは「点を取られている印象」より実際の防御率がかなり良い
  3. WHIP的には不安でも「致命傷を避ける能力」がある
  4. 19セーブ・14ホールドという数字からも役割の大きさが分かる
  5. ドリスが見ていて怖い最大の理由は制球のばらつき
  6. 木下里都と工藤泰成はすでに勝ちパターンへ入っている
  7. 8月27日は木下を7回、ドリスを8回、工藤を9回で起用
  8. 木下をビハインドで使ったことからも「固定された8回担当」ではない
  9. 接戦でドリスを使う理由の一つは「他の投手を毎日使えない」こと
  10. ドリスの経験値も接戦では大きい
  11. では木下を8回、工藤を9回で固定すればいいのでは?
  12. 石井大智が戻ればブルペンはかなり変わる可能性がある
  13. ただし石井は「すぐ1軍復帰」ではなく、あと数試合調整予定
  14. 石井復帰後は「石井・木下・工藤」の強力な形も考えられる
  15. ドリスの役割が7回などへ変わる可能性もある
  16. 「防御率が良いのに怖い投手」は珍しくない
  17. 一方でドリス起用にまったく不安がないわけではない
  18. 現在の阪神ブルペンを整理すると
  19. 8月27日の采配は結果としてかなり積極的だった
  20. ドリスだけを外せば安全になるとは限らない
  21. 藤川監督が今後考えそうなのは「誰を外すか」より分散運用
  22. まとめ|ドリス起用は不思議ではないが、石井復帰で負担分散が進みそう

8月27日の中日戦ではドリスが1点リードの8回を担当

2026年8月27日の中日戦では、阪神が8回表に坂本誠志郎の2ランで4対3と逆転。その直後の8回裏をドリスが任されました。

ドリスは1イニングを21球で投げ、1安打1四球を許したものの無失点。9回は工藤泰成が登板し、こちらも走者を出しながら無失点に抑えて阪神が4対3で勝利しました。[参照:阪神タイガース公式・2026年8月27日中日戦]

見ている側には確かに「また走者が出た」という印象が残りやすい試合でした。しかし結果としてはドリスがホールド、工藤が最後を締めています。藤川監督としては、8回と9回を現在の信頼できるリリーフで分担した形です。

ドリスは「点を取られている印象」より実際の防御率がかなり良い

ドリスに対して不安を感じやすい理由の一つが、ランナーを出す場面の多さです。2026年8月27日時点では40イニングで32安打、16四球を許しています。

単純計算すると、三者凡退だけを繰り返すタイプではありません。ヒットや四球で走者を背負いながら抑える場面があり、それが視聴者に「毎回危ない」という印象を与えやすくなります。

しかし防御率は1.80で、被本塁打は40イニングでわずか1本。奪三振も48個あります。走者は出しても長打を大量に浴びず、必要な場面で三振を取って失点を防いでいるというのが2026年の成績です。[参照:阪神タイガース公式]

WHIP的には不安でも「致命傷を避ける能力」がある

40イニングで被安打32、与四球16ですから、単純なWHIPは1.20程度になります。圧倒的に走者を許さない数字ではありませんが、リリーフとして十分戦える範囲です。

さらに重要なのは48奪三振です。40イニングで48三振ですから、9イニング換算では10個を超えるペースになります。走者を背負ったときにバットへ当てさせずアウトを取れることは、接戦のリリーフとして大きな武器です。

藤川監督が投手出身であることを考えると、「ランナーを出したか」だけでなく、球威、三振能力、長打を避けられるか、登板間隔、相手打順などを含めて判断していると考えるのが自然でしょう。

19セーブ・14ホールドという数字からも役割の大きさが分かる

2026年8月27日時点のドリスは、19セーブに加えて14ホールドを記録しています。つまり一年を通して「9回だけの投手」でも「楽な場面だけの投手」でもありません。

セーブ場面とセットアッパーの両方で使われており、終盤の重要局面を数多く任されてきたことが分かります。42試合登板という数字からも、藤川監督のブルペン構想における重要度はかなり高いと考えられます。

接戦でドリスを出すこと自体は、今季の役割からすると特別な采配ではありません。むしろシーズンを通して接戦を任せて結果を残してきたから、8月下旬の優勝争いでも同じ役割を任されていると見る方が実態に近いでしょう。

ドリスが見ていて怖い最大の理由は制球のばらつき

ファン目線でドリスの登板が怖く感じられるのは、防御率とは別の問題です。

例えば8月27日の中日戦でも1回21球を要し、1安打1四球でした。結果は無失点でも、1点差の8回で走者が出れば一打同点です。防御率が良いからといって、観戦していて安心できる投球内容とは限りません。

特にドリスは球威のあるボールで抑えるタイプなので、制球が少し乱れれば球数が増え、四球からピンチが拡大することがあります。「数字は良いが心臓に悪い」という感覚は両立します。

木下里都と工藤泰成はすでに勝ちパターンへ入っている

現在の阪神で重要なのが木下里都と工藤泰成です。日刊スポーツは8月上旬、石井大智不在のブルペンで藤川監督が木下と工藤を「彼らを中心に勝負」と位置付け、両投手が勝ちパターンを担っていると報じています。[参照:日刊スポーツ]

木下と工藤はいずれも160キロ前後の速球を投げられる若手右腕です。8月2日のヤクルト戦までには3連投も経験し、工藤はプロ初セーブを記録しました。

したがって「石井がいないから消去法で全部ドリス」という状況ではありません。実際には木下・工藤・ドリスを中心に、その日の登板状況に応じて終盤を分担していると見る方が正確です。

8月27日は木下を7回、ドリスを8回、工藤を9回で起用

8月27日の中日戦は現在のブルペン序列を理解しやすい試合でした。

阪神は2対3と負けていた7回から木下を投入しています。木下は先頭打者へ四球を与え、申告敬遠もあって一、三塁のピンチになりましたが無失点で切り抜けました。その直後に阪神が逆転したため、木下には勝利投手が記録されています。[参照:日刊スポーツ]

逆転後の8回がドリス、9回が工藤でした。つまり藤川監督はドリスだけを特別扱いしているのではなく、木下・ドリス・工藤という3人を重要局面へ続けて投入しています。

木下をビハインドで使ったことからも「固定された8回担当」ではない

一般的には、勝ちパターンのリリーフを7回、8回、9回と固定するチームもあります。しかし藤川監督は8月27日、1点ビハインドの7回に勝ちパターンの木下を投入しました。

日刊スポーツもこの起用を「藤川監督が勝負手に出た」と報じています。結果として木下が無失点に抑え、その直後に坂本の逆転2ランが生まれました。[参照:日刊スポーツ]

つまり藤川監督は「8回だからこの投手」と完全固定するというより、試合の勝負どころを見て先に強い投手を投入する考え方も採っています。この使い方をすると、逆転後に別のリリーフが8回や9回を担当することになります。

接戦でドリスを使う理由の一つは「他の投手を毎日使えない」こと

リリーフ運用で見落としやすいのが登板間隔です。どれだけ状態の良い投手でも毎試合投げさせることはできません。

木下や工藤が優秀だからといって、接戦のたびに同じ2人だけを連投させればシーズン終盤に疲労が蓄積します。阪神は8月下旬時点で優勝争いの真っただ中にあり、残り試合を考えながらブルペン全体を回さなければなりません。

ドリスのようにセットアッパーと抑えの両方を経験し、連投にも対応できるベテランがいることで、木下・工藤の負担を分散できます。

ドリスの経験値も接戦では大きい

ドリスは阪神で過去にもクローザーを務めており、日本球界での経験が非常に豊富です。

1点差の終盤では、単純な球速だけでなく、走者を背負ったときの間の取り方やけん制、バント処理、外国人打者との勝負など、経験が意味を持つ場面があります。

2026年の阪神には木下や工藤という若い強力なリリーフが出てきていますが、長い優勝争いの中ですべてを若手だけに任せる必要もありません。経験豊富なドリスを組み込むことにはブルペン全体を安定させる意味があります。

では木下を8回、工藤を9回で固定すればいいのでは?

現在の球威だけを見れば、この考え方にも十分な説得力があります。木下と工藤は160キロ級の速球を持ち、勝ちパターンとして結果を出しています。

ただし固定すると、2人が連投した翌日や3連投を避けたい日に代替投手が必要になります。また相手打順との相性や、7回に最も危険な打順が来るケースもあります。

藤川監督が木下を1点ビハインドの7回から投入した8月27日のように、「一番危険な場面を先に抑える」という考え方なら、必ずしも木下8回・工藤9回に固定する必要はありません。

石井大智が戻ればブルペンはかなり変わる可能性がある

今後の最大のポイントは石井大智の復帰です。

石井は2026年2月に左アキレス腱を断裂し、長期離脱していました。しかし8月23日に193日ぶりとなる実戦登板を果たし、ソフトバンクとのファーム戦で1イニング2安打無失点、3奪三振。最速152キロを記録しています。[参照:日刊スポーツ]

さらに8月26日の広島とのファーム戦では1イニングを三者凡退。復帰後2試合連続無失点で、1軍復帰へ着実に前進しています。[参照:日刊スポーツ]

ただし石井は「すぐ1軍復帰」ではなく、あと数試合調整予定

石井については、8月26日の登板後も数試合の二軍調整登板を予定していると報じられています。

つまり8月28日時点では、復帰がかなり近づいているものの、まだ完全に1軍の勝ちパターンへ戻ったわけではありません。アキレス腱断裂という大きな故障からの復帰だけに、チームとしても慎重に進めるのは当然でしょう。

二軍の平田勝男監督も初実戦登板後に「焦ることない」と話しており、短期的なブルペン事情だけを理由に復帰を急がせる状況ではありません。[参照:日刊スポーツ]

石井復帰後は「石井・木下・工藤」の強力な形も考えられる

石井が本来の状態まで戻れば、阪神ブルペンの選択肢は大きく増えます。

石井は近年の阪神でセットアッパーとして大きな実績を残してきた投手です。そこへ今季急成長した木下と工藤が加われば、終盤3イニングを非常に強力な投手でつなぐことも可能になります。

ただし、その場合でもドリスが不要になるとは限りません。4人の有力投手がいれば、連投を避けながら日替わりで重要局面を任せられます。長期的にはむしろ石井復帰によってドリスを無理に毎回重要局面へ投入する必要がなくなり、それぞれを適した場面で使いやすくなる可能性があります。

ドリスの役割が7回などへ変わる可能性もある

石井が完全復活した場合、藤川監督が誰を7回、8回、9回に配置するかは注目点です。

例えば石井を8回、工藤または木下を9回に置き、ドリスを7回や相手打順に応じた投入へ回す形も考えられます。逆にドリスの経験を評価し、引き続き8回または9回を任せる可能性もあります。

2026年の藤川監督の運用を見る限り、役割を完全固定するより、その日のコンディションや登板履歴を踏まえて複数人を動かす可能性の方が高そうです。

「防御率が良いのに怖い投手」は珍しくない

野球を見る際、防御率と観戦時の安心感は必ずしも一致しません。

例えば毎回ヒットと四球で二人走者を出してから三振で抑える投手と、ほぼ毎回三者凡退だが時々ホームランで失点する投手がいた場合、年間防御率は同じになることがあります。しかしファンが感じる怖さは前者の方が圧倒的でしょう。

ドリスについても同様で、走者を出した場面の印象が強く残ります。それでも2026年8月27日時点で42試合、防御率1.80という結果は、接戦を任せる根拠として十分強い数字です。

一方でドリス起用にまったく不安がないわけではない

数字が良いからといって、今後もすべて同じように抑えられる保証はありません。

38歳という年齢、シーズン42試合という登板数、四球による走者、球数増加などは終盤戦で注視したいポイントです。特に疲労によって球威や制球が落ちれば、これまで抑えられていたピンチで失点する可能性が高くなります。

したがってファンが「最近の内容なら木下や工藤を優先してほしい」と感じることにも理由があります。ただし首脳陣はブルペンでの球質や疲労状況など、外からは見えない情報も踏まえて登板を決めています。

現在の阪神ブルペンを整理すると

投手 現在の位置づけ 特徴・状況
ドリス 勝ちパターン・抑え経験 42試合、防御率1.80、19セーブ14ホールド
木下里都 勝ちパターン 160キロ級の直球。ビハインドの重要局面でも投入
工藤泰成 勝ちパターン・終盤 160キロ級。セーブも経験
石井大智 復帰調整中 アキレス腱断裂から二軍実戦復帰。数試合調整予定
岩崎優 経験豊富なリリーフ 相手・状態・登板間隔を見ながら起用

この状況を見ると、藤川監督の選択肢は以前より増えています。石井が戻ればさらに厚みが増すため、9月以降は継投パターンが変化する可能性があります。

8月27日の采配は結果としてかなり積極的だった

中日戦では先発下村が3回途中で降板したため、阪神は長いイニングをブルペンでつなぐ必要がありました。

セベリーノが2イニング、岡留英貴が2イニングを無失点。その後、1点ビハインドでも木下を投入し、逆転するとドリス、工藤へつないでいます。中継ぎ5投手が3回以降を無失点でつないだ試合でした。[参照:日刊スポーツ・藤川監督一問一答]

藤川監督も試合後に「全員でゲームが取れたということが非常に大きい」と振り返っています。この発言からも、特定の1人だけではなくブルペン全体で接戦を取る意識がうかがえます。

ドリスだけを外せば安全になるとは限らない

接戦でピンチを作ると「別の投手ならもっと安心だった」と感じます。しかし8月27日は木下も2四球で一、三塁、工藤も1安打1四球で得点圏に走者を背負っています。

それでも3人とも無失点でした。リリーフ投手は相手も必死に点を取りにくる終盤を担当するため、毎回三者凡退というわけにはいきません。

重要なのはピンチを作らないことだけではなく、ピンチで決定的な一打を許さないことです。この点ではドリスも木下も工藤も、8月27日の重要な1点差を守り切りました。

藤川監督が今後考えそうなのは「誰を外すか」より分散運用

石井復帰後については「ドリスを勝ちパターンから外して石井へ替える」という単純な入れ替えを想像しがちです。

しかし長いシーズンを考えると、石井・木下・工藤・ドリスという複数の勝ちパターン候補を持つ方が有利です。3連投を減らせますし、延長戦にも対応できます。

藤川監督自身が現役時代にリリーフを経験していることもあり、投手のコンディション管理を重視しながら日ごとに最適な組み合わせを作っていく可能性があります。

まとめ|ドリス起用は不思議ではないが、石井復帰で負担分散が進みそう

阪神・藤川球児監督が接戦でドリスを起用する最大の理由は、2026年シーズンを通して実際に接戦を抑えてきた実績があるからと考えるのが自然です。

2026年8月27日時点でドリスは42試合、40イニングを投げ、防御率1.80、19セーブ、14ホールド。被安打32、与四球16のため走者を背負うことはありますが、48奪三振、被本塁打わずか1本で、最終的には失点をかなり少なく抑えています。[参照:阪神タイガース公式]

8月27日の中日戦でも1点リードの8回に登板し、1安打1四球でピンチを作りながら無失点。9回は工藤が締め、阪神は4対3で勝利しました。[参照:阪神タイガース公式]

一方、現在は木下里都と工藤泰成も勝ちパターンとして確立しつつあります。実際に藤川監督は木下を1点ビハインドの7回から投入するなど、重要度の高い場面を若手にも任せています。つまり「木下・工藤を使わずドリスばかり」という運用ではありません。

そして最大の変化要因が石井大智です。左アキレス腱断裂から8月23日に実戦復帰し、8月26日の2度目の登板では三者凡退。現在はもう数試合二軍で調整した後の1軍復帰を目指す段階まで来ています。[参照:日刊スポーツ]

石井が本来の状態で戻れば、石井・木下・工藤・ドリスという強力な4人を状況に応じて使えるようになります。その場合、ドリスを完全に外すというより、登板間隔や相手打順を見ながら負担を分散できるようになる可能性が高いでしょう。

ドリスがランナーを出して「心臓に悪い」という感覚は理解できますが、2026年の成績を見る限り、藤川監督が1点差で任せること自体には十分な根拠があります。今後の注目点はドリスを使うか使わないかより、石井復帰後に藤川監督が石井・木下・工藤・ドリスをどう組み合わせ、誰か一人へ負担を集中させず優勝争いを乗り切るかという部分になりそうです。

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