近年、サッカーの試合でゴールキックからショートパスをつなぐシーンをよく見かけるようになりました。特にJリーグや欧州リーグでは、ゴールキックからのビルドアップが主流となりつつあります。では、なぜゴールキックでロングキックではなくショートパスが選ばれるようになったのでしょうか?
ゴールキックのルール変更とその影響
2019年8月、国際サッカー評議会(IFAB)はゴールキックに関する競技規則を改正しました。主な変更点は以下の通りです。
- 攻撃側の選手がペナルティエリア内でボールを受けることが可能になった
- 守備側の選手はゴールキックが蹴られるまでペナルティエリア内に入れない
これにより、ゴールキックからのビルドアップがしやすくなり、ショートパスをつなぐ戦術が採用されるようになりました。実際、J1リーグではゴールキックからディフェンシブサード(自陣ゴール側エリア)へパスする割合が2017年の20%弱から2020年には46.5%に増加しています。
ショートパスを選択する戦術的理由
ショートパスを選択することで、以下のような戦術的な利点があります。
- ボール保持率の向上:ショートパスをつなぐことで、相手にボールを奪われるリスクを減少させ、試合の主導権を握りやすくなります。
- 相手のプレス回避:相手の前線からのプレスをかわすために、後方からのビルドアップが有効です。
- 攻撃の幅の拡大:ショートパスをつなぐことで、サイドチェンジや中央突破など、多様な攻撃の選択肢が増えます。
これらの理由から、多くのチームがゴールキックからショートパスを選択しています。
ロングキックのリスクとその回避
ロングキックを選択すると、以下のようなリスクが伴います。
- ボールロストの可能性:ロングボールは相手に競り負けるとすぐにボールを失う可能性が高く、リスクが大きいです。
- 相手のカウンターの起点:ボールを失った場所が自陣深くであれば、相手のカウンター攻撃の起点となりやすいです。
これらのリスクを避けるため、ショートパスでのビルドアップが選ばれることが増えています。
まとめ
ゴールキックからショートパスをつなぐ戦術は、ルール改正や戦術の進化により、現代サッカーにおいて主流となっています。チームの戦術や相手のプレスの状況に応じて、ショートパスとロングキックを使い分けることが重要です。今後もこの戦術の進化に注目していきましょう。
コメント