2025年、鈴鹿サーキットで36年ぶりにF1観戦をした際、現地で感じた独特な臭いに驚いた方も多いのではないでしょうか。オイルやゴムの臭いとは異なる、何とも言えない香りが、走行するマシンとともに漂ってきたという意見もあります。この記事では、その臭いの正体について、F1マシンに使用されている新しい技術や素材、そして現代のハイブリッドシステムがどのように影響しているのかを探ります。
F1マシンの構成と匂いの要因
F1マシンは、最新の技術と素材を駆使して設計されています。その中でも、特にハイブリッドシステムとカーボンブレーキが、新しい匂いの原因として注目されています。ハイブリッドシステムは、燃料と電力を併用して走行するため、従来のガソリンエンジンとは異なる燃焼プロセスを経ます。このシステムにより、排気ガスの成分やマフラーからの臭いが従来とは異なるものとなっている可能性があります。
また、カーボンブレーキは、その高温での作動により、焼けたときに特有の臭いを発生させます。これは、ブレーキの摩擦によって高温になり、カーボン素材が焼ける際に生じるものです。鈴鹿のような高速コースでは、ブレーキダストが舞いにくいとはいえ、高温になることがあります。
ハイブリッドシステムによる新たな臭いの可能性
現代のF1では、ハイブリッドシステムが搭載された車両が主流です。このシステムは、エネルギー回生装置(ERS)と呼ばれる装置を使って、ブレーキ時に発生するエネルギーを回収し、モーターを使って加速する仕組みです。これにより、排気の臭いがこれまでとは異なるものとなり、従来のF1マシンよりも異臭を感じることがあります。
ハイブリッドシステムによる燃料の消費と排気ガスの性質の違いは、サーキット上の香りに直接的な影響を与える要因の一つです。したがって、鈴鹿でのように長時間走行する際には、これまでとは異なる臭いを感じるのは自然なことかもしれません。
カーボンブレーキの焼ける臭い
F1マシンにおいて、カーボンブレーキは非常に高温で動作します。これが原因で、ブレーキをかけた際に独特の焼けた臭いが発生することがあります。特に、ストレートでの高速度からの急ブレーキングが多いサーキットでは、ブレーキの温度が急激に上昇し、カーボン素材が加熱されることで臭いが強くなることがあります。
鈴鹿の130Rの出口付近では、ブレーキの使用が少ないと思われるかもしれませんが、高速でコーナーを抜ける際にも一定のブレーキ熱が発生しているため、これが臭いの一因となる可能性も考えられます。
まとめ
F1マシンの独特な臭いは、主にハイブリッドシステムとカーボンブレーキに起因している可能性があります。現代のF1マシンは、従来の車両とは異なる新しい技術を搭載しており、これらの技術が排気ガスや焼けた臭いに影響を与えていると考えられます。鈴鹿のような高速コースでは、特にその違いを感じやすくなります。今後の観戦時には、これらの新しい技術が生み出す独特な臭いを楽しむことも、F1観戦の一部となるでしょう。
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