ボブ・バックランドは、プロレスファンの間で賛否が分かれる選手です。特にニューヨークの観客に強く支持された理由と、彼のキャリアの中でどのように魅力を発揮していたのかを掘り下げていきます。彼の時代背景や試合のスタイル、そしてその後の「ミスターバックランド」としてのキャラクターについても触れていきます。
1. ボブ・バックランドのプロレスキャリア
ボブ・バックランドは1970年代から1980年代にかけてアメリカのプロレス界で活躍したスーパースターであり、特にWWF(現在のWWE)での王座獲得が有名です。彼は非常に真摯で一貫したキャラクターを持っており、その誠実さと根気強さがファンに受け入れられました。
特にバックランドは、テクニックと身体能力が高く、ストロングスタイルを基本にしたレスリングを得意としました。彼の試合スタイルは、その時代の他のレスラーと比べてリアルで硬派なものとして評価され、ニューヨークの観客にも強く支持されました。
2. ニューヨークの観客に受けた理由
ニューヨークはプロレスの熱い観客で知られており、観客が好むレスラー像が非常に明確です。バックランドは、その誠実で真面目な姿勢が評価され、特に「顔役(ヒーロー)」として登場することが多かったため、地元の観客に愛されました。彼の試合の多くは、観客が彼の努力と忍耐を支える形で展開されました。
また、バックランドは「子ども向けのヒーロー」としての要素も持ち合わせており、家族層のファンにも受け入れられました。彼のピュアなキャラクターは、他のレスラーが持つ強烈な個性や悪役のキャラとは一線を画していました。
3. サンマルチノ、グラハムとバックランドの比較
サンマルチノやグラハムのようなレスラーは、ニューヨークの観客にとって非常に魅力的であったのは確かです。しかし、バックランドはその後のプロレスの流れの中で、これらの大物レスラーとは異なる魅力を持っていました。彼は技術的な強さと、努力家としてのキャラクターを全面に出していたため、純粋にプロレスを楽しむ観客に支持されたのです。
サンマルチノやグラハムが大衆的なヒーロー像を築いていたのに対して、バックランドはそのキャラクターをもっと内部的な誠実さに基づかせました。これがニューヨークの観客にとって新鮮であり、支持を集めた要因となったのでしょう。
4. 猪木戦の印象とその後の「ミスターバックランド」
猪木との試合は、バックランドのキャリアにおいて注目すべき瞬間の一つですが、その試合が期待通りのインパクトを与えられなかった点も事実です。猪木という圧倒的なスターに対して、バックランドのスタイルは少々硬直的に見え、試合の展開が観客の期待に応えきれなかったという意見もあります。
その後、「ミスターバックランド」として再登場した際には、キャラクターがよりファンタジックでエンターテイメント性を強調し、より大衆向けの魅力を発揮しました。これにより、バックランドは再び人気を取り戻しましたが、初期の誠実で硬派なスタイルに戻ることはありませんでした。
まとめ
ボブ・バックランドは、その真摯なプロレススタイルと誠実なキャラクターによってニューヨークの観客に支持されました。彼のスタイルは他のレスラーと比べて異なる部分もありましたが、それが逆に観客に新鮮な魅力を与え、長期間にわたって愛されました。猪木戦やその後の「ミスターバックランド」としてのキャラクターが一部では評価されていない部分もありますが、彼のキャリアは確実にプロレス界において重要な位置を占めています。
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