50年前に製造された三菱の農機「テイラーCT511」を使用する際、リコイルスターターによるキックバック(ケッチン)に悩まされることがあります。特に、デコンプレッション(デコンプ)機構とリコイルスターターの連携が不十分な場合、始動時に強い反動が生じることがあります。この記事では、キックバックを防ぐための適切な始動手順と注意点について解説します。
デコンプレッション機構の役割と使用方法
デコンプレッション機構は、エンジン始動時に圧縮を一時的に解除することで、リコイルスターターの引き力を軽減し、始動を容易にする装置です。テイラーCT511のような古いモデルでは、デコンプレバーを引くと「カチッ」と音がし、リコイルスターターが軽く引ける状態になります。この状態で始動を試みると、キックバックを防ぐ効果があります。
キックバックを防ぐための始動手順
キックバックを防ぐためには、以下の手順を試してください。
- デコンプレッション機構を作動させる:デコンプレバーを引いて、エンジンの圧縮を解除します。
- リコイルスターターを軽く引く:リコイルスターターを軽く引いて、エンジンを数回転させます。これにより、エンジン内部のガス交換が行われ、次の点火タイミングが整います。
- デコンプレッション機構を解除する:デコンプレバーを戻して、エンジンの圧縮を再び有効にします。
- リコイルスターターを力強く引く:リコイルスターターを力強く引いて、エンジンを始動させます。
この手順により、点火タイミングが適切に調整され、キックバックのリスクを低減できます。
キックバックが発生する原因と対策
キックバックが発生する主な原因は以下の通りです。
- 点火タイミングの不適切:エンジンが上死点付近で引っかかると、点火時に逆回転が生じやすくなります。
- リコイルスターターの操作ミス:ロープを目一杯巻き付けておかないと、エンジンの回転が落ちるタイミングで点火が起こり、キックバックが発生します。
- デコンプレッション機構の未使用:デコンプレッション機構を使用しないと、リコイルスターターの引き力が強くなり、キックバックのリスクが増します。
これらの原因を避けるためには、適切な始動手順を守り、エンジンの状態を確認しながら操作することが重要です。
まとめ
三菱テイラーCT511のような古い農機を安全に始動させるためには、デコンプレッション機構を適切に使用し、リコイルスターターの操作を慎重に行うことが求められます。キックバックを防ぐための手順を守り、エンジンの状態を確認しながら操作することで、安全に始動することができます。万が一、キックバックが発生した場合は、手を離してリコイルスターターを戻し、再度手順を確認してから始動を試みてください。
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