肩関節脱臼を2回以上繰り返した場合のスポーツ継続と保存療法の実態と注意点

肩関節の脱臼を2回以上経験し、手術を受けずに格闘技、ラグビー、野球などのスポーツを続けている方は一定数存在します。しかし、反復性脱臼のリスクやその後の関節の安定性を考慮すると、専門医と十分に相談し、適切な治療法を選択することが重要です。

肩関節脱臼のリスクとスポーツへの影響

肩関節は人体で最も可動域が広い関節であるため、脱臼しやすい特徴があります。特にラグビーや格闘技などのコンタクトスポーツでは、肩関節脱臼のリスクが高まります。脱臼を2回以上繰り返すと、関節の不安定性が増し、再発の可能性が高くなります。

保存療法では、三角巾や外転枕による固定や、筋力トレーニング、可動域訓練が行われます。しかし、反復性脱臼の場合、関節の構造的な問題が残るため、保存療法だけでは完全な回復が難しいことがあります。特に、再脱臼のリスクが高い場合や、スポーツ復帰を目指す場合には、手術が検討されることがあります。

肩関節脱臼の手術療法には、関節唇や関節包を修復する「鏡視下バンカート修復術」や、骨を移植して関節の安定性を高める「ラタジェ法（Latarjet法）」などがあります。これらの手術は、再脱臼のリスクを低減し、スポーツ復帰を目指す際に有効とされています。

肩関節脱臼を2回以上経験し、手術を受けずにスポーツを続けることは可能ですが、再脱臼のリスクや関節の不安定性を考慮すると、専門医と相談し、適切な治療法を選択することが重要です。保存療法だけでは不十分な場合もあるため、必要に応じて手術療法を検討することが推奨されます。