マラソントレーニングにおけるLSDとレペティションの効果的な使い分けと時期の考え方

マラソン、陸上競技

マラソンに向けたトレーニングでは、LSD(ロング・スロー・ディスタンス)とレペティション(高強度インターバルトレーニング)という異なる目的を持つメニューが存在します。これらを同じ週に取り入れるべきか、それとも期分けして別々に行うべきかは、ランナーにとって大きな関心事です。この記事では、それぞれのトレーニングの目的や時期に応じた取り入れ方について詳しく解説します。

LSDとレペティションの目的と違い

LSDはその名の通り、ゆっくりと長時間走ることで、心肺機能や脂肪燃焼効率、筋持久力を高めるトレーニングです。スタミナ強化を主な目的としており、マラソンの基礎体力を作るのに最適です。

一方、レペティションは短い距離を高強度で繰り返し走るトレーニングで、スピードと無酸素性の能力向上にフォーカスしています。瞬発的な力や乳酸耐性の向上が主な狙いで、マラソン後半のペース維持にも関与します。

期分け(ピリオダイゼーション)の重要性

マラソンに向けたトレーニングでは、「期分け(ピリオダイゼーション)」という考え方が広く用いられています。これは、基礎期 → 強化期 → 調整期といった具合に、段階的にトレーニング内容を変えていく方法です。

LSDは主に「基礎期」に重視されるトレーニングで、身体の土台作りとして重要な役割を果たします。一方、レペティションは「強化期」に導入されることが多く、スピードやレースペースに慣れるための準備になります。このように期分けによって、目的の異なるメニューを効果的に使い分けることができます。

同じ週にLSDとレペティションを入れても良いのか?

一般的には、LSDとレペティションを同じ週に入れることは避けた方が望ましいとされています。なぜなら、LSDは低強度で長時間走るため疲労回復に時間がかかり、そこに高強度のレペティションを重ねると、オーバートレーニングや疲労蓄積のリスクが高まるからです。

ただし、競技レベルやトレーニングの熟練度によっては、同じ週にバランス良く配分することで問題なく実施できる場合もあります。たとえば、月曜にLSD、木曜にレペティションといった形で十分な休養日を設ければ、効率よく両立させることも可能です。

実際のスケジュール例(市民ランナー向け)

曜日 メニュー
LSD(90〜120分)
完全休養 or ストレッチ
ジョグ(30分)
レペティション(400m×6本)
休養 or 軽いジョグ
ペース走(10km)
リカバリージョグ(ゆっくり30分)

このように、しっかりと回復日を挟みながら計画を立てることで、LSDとレペティションの併用も可能になります。

スピードとスタミナ、どちらも育てるには?

スピードとスタミナは相反する要素と思われがちですが、適切なバランスでトレーニングすれば両立は可能です。鍵となるのは、時期ごとに目的を明確にし、トレーニング強度と頻度を調整することです。

無理に全てを詰め込むのではなく、1ヶ月単位、または週単位でテーマを決めてトレーニングを行うと、より効率よくスピードとスタミナを高めることができます。たとえば、「今週は持久力に重点を置き、次週はスピード強化に移行する」といった切り替えが有効です。

まとめ

LSDとレペティションは、それぞれ異なる目的を持つトレーニングであり、無理に同じ週に詰め込むと中途半端になってしまう可能性があります。しかし、十分な回復日を取り入れた上で計画的に組み合わせれば、どちらの効果も引き出すことは可能です。トレーニングは“量より質”と“計画性”が鍵。自分の目標と現状に合わせた期分けを行い、最適なバランスでメニューを組みましょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました