テニスクラブやサークルでは、経験者が初心者や中級者にアドバイスをしてくれる場面があります。しかし、ありがたい助言のつもりでも、本人が求めていないのに一方的な指導をされると負担に感じてしまうこともあります。特にグリップやフォームのように複数の正解がある技術では、特定の方法だけを正しいと思い込んだ指導が問題になる場合があります。この記事では、聞いていないのに教えてくる人の心理や、テニスを楽しみながら上手に付き合う方法について解説します。
テニスクラブで一方的にアドバイスする人がいる理由
テニスのコミュニティでは、自分が長年経験してきたことを誰かに伝えたいという気持ちを持つ人が少なくありません。本人としては「助けてあげたい」「上達してほしい」という善意から声をかけているケースもあります。
特に長くテニスを続けている人ほど、自分が成功したフォームやグリップを基準に考えやすくなります。そのため、「自分はこの持ち方で上手くなったから、これが正しい」と考えてしまうことがあります。
しかし、テニスには体格、筋力、柔軟性、プレースタイルによって合うフォームが変わります。プロ選手を見てもグリップやスイングは一人ひとり違うため、必ずしも一つの型だけが正解というわけではありません。
テニスの技術には複数の正解がある
グリップにはウエスタングリップ、イースタングリップ、コンチネンタルグリップなど複数の種類があります。それぞれに向いているショットやプレースタイルがあり、どれを選ぶかは目的によって変わります。
例えば、強いトップスピンをかけたい選手なら厚めのグリップが合うことがあります。一方で、ボレーやスライスを多用する選手なら薄めのグリップが便利な場合があります。
そのため、「絶対にこの持ち方」「この振り方以外は間違い」という考え方は、テニスの幅広さを考えると適切ではありません。大切なのは、その技術が自分の目的や体に合っているかどうかです。
動きを見せるだけの指導が分かりにくい理由
テニス経験者によくある指導方法として、自分のスイングを見せて「こう振る」と伝える方法があります。しかし、見る側にとっては何を意識すればいいのか分からないことがあります。
良い指導では、単に動きを見せるだけではなく、「ラケット面をこう作る」「打点を前にする」「体重移動を意識する」など、具体的なポイントを説明します。
例えば、同じフォアハンドでも腕の動きだけを真似しても上手くいかないことがあります。体の回転、足の入り方、準備のタイミングなど複数の要素が関係しているためです。
押し付け型のアドバイスを受けた時の対応方法
一方的なアドバイスを完全に拒否すると、人間関係が悪くなる可能性があります。そのため、まずは一度受け止めた上で、自分に必要な部分だけ取り入れる姿勢がおすすめです。
例えば、「ありがとうございます、一度試してみます」と伝えた後、自分に合わなければ以前の方法に戻すという考え方でも問題ありません。テニスでは試行錯誤しながら自分に合う形を探すことも上達の一部です。
また、何度も同じ指摘をされる場合は、「今は自分の感覚を確認しながら練習したいので、少し試させてください」と柔らかく伝えることで距離感を調整できます。
本当に参考にすべきアドバイスの見分け方
良いアドバイスかどうかを判断するポイントは、その人の意見が正しいかだけではなく、自分のプレー改善につながるかどうかです。
「なぜその動きが必要なのか」「どんな場面で役立つのか」を説明できる人のアドバイスは参考になります。一方で、理由がなく「昔からこうだから」「これしかない」と言う場合は、一度自分で考えて判断することも大切です。
また、経験豊富な選手でも指導が得意とは限りません。プレーが上手いことと、人に分かりやすく教える能力は別の技術だからです。
まとめ|テニスでは自分に合う技術を探すことが大切
テニスクラブで聞いていないアドバイスをされることは珍しいことではありません。多くの場合は悪意ではなく、経験を共有したい気持ちから生まれています。
ただし、テニスには多くの技術的な選択肢があり、誰かの成功例が必ず自分にも当てはまるとは限りません。アドバイスは参考材料として受け取り、自分の体やプレースタイルに合うものを選ぶことが重要です。
周囲との関係を大切にしながら、自分自身で考えて試行錯誤することで、無理なく楽しくテニスを続けられるようになります。


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