「ミラクル・レスター」をワールドカップに例えるとどの国の優勝?5000倍の大番狂わせを分かりやすく比較

FIFAワールドカップ

2015-16シーズンのプレミアリーグでレスター・シティが成し遂げた優勝は、「ミラクル・レスター」と呼ばれるサッカー史上屈指の大番狂わせです。では、この快挙をFIFAワールドカップの代表チームに置き換えると、どの程度の国が優勝するイメージなのでしょうか。

完全に同じ条件で比較することはできませんが、結論からいえば、日本やモロッコのような「ダークホースとして十分警戒されている国」が優勝するより、さらに大きな驚きだったと考えるのが適切です。イメージとしては、大会前に優勝候補としてほとんど名前が挙がらない国が、ブラジル、アルゼンチン、フランス、ドイツ、スペインなどを最終的に上回って世界一になるような出来事です。

レスターは開幕前の優勝オッズが5000倍とされており、前年には降格争いをしていました。それにもかかわらず38試合のリーグ戦を戦い抜き、最終的には2位アーセナルに10ポイント差をつけて優勝しています。[参照:Premier League公式]

ミラクル・レスターはどれほど異常な優勝だったのか

レスターは2014-15シーズン、長期間にわたってプレミアリーグ最下位に沈みながら、終盤の猛追によって14位で残留しました。その翌シーズンにいきなりリーグ王者になったため、単なる「中堅クラブの初優勝」とは意味が違います。

2015-16シーズン開幕時の優勝オッズは5000対1、つまり日本式で表せば約5001倍に相当する非常に大きな数字でした。プレミアリーグ公式も、レスターを「5000-1のアウトサイダー」として紹介しています。[参照:Premier League公式]

しかも偶然一試合だけ強豪に勝ったわけではありません。38試合で23勝12分3敗、勝点81を獲得し、2位アーセナルの71ポイントを大きく上回りました。[参照:Premier League公式]

ワールドカップなら「日本優勝」よりさらに驚きが大きい?

日本代表がワールドカップで優勝すれば、もちろん歴史的な大番狂わせです。しかし現在の日本はワールドカップ常連国であり、欧州の強豪国に勝利した実績もあります。そのため「大会前から優勝可能性がほぼゼロと見られている代表」という位置づけではありません。

したがってレスターの優勝をそのまま日本代表のワールドカップ優勝に置き換えると、ややレスター側の衝撃を小さく表現してしまいます。

感覚的には、日本が優勝する驚きよりさらに上で、「グループリーグ突破だけでも大成功」と評価される代表が、そのまま決勝まで勝ち上がって世界一になるくらいのイメージが近くなります。

モロッコが優勝する場合とも少し違う

モロッコは2022年ワールドカップでアフリカ勢として史上初のベスト4へ進出しました。その実績があるため、現在では単なる弱小国ではなく、世界大会でも上位進出を警戒される代表になっています。

そのため現在のモロッコがワールドカップで優勝しても大きなニュースではありますが、「スポーツ史上でもほとんど例がない奇跡」というレスター優勝とは少し性質が違います。

レスターを代表チームに例えるなら、すでにベスト4実績を持つモロッコよりも、大会前には決勝トーナメント進出さえ難しいと予想される国の方がイメージとして近いでしょう。

2014年のコスタリカがそのまま優勝していたら近かった

過去のワールドカップで比較的イメージしやすい例が、2014年ブラジル大会のコスタリカです。

コスタリカはウルグアイ、イタリア、イングランドと同組になり、開幕前には圧倒的なグループ最下位候補と見られていました。それにもかかわらずウルグアイとイタリアを破り、グループ1位で突破。最終的には準々決勝でオランダとPK戦までもつれ込む快進撃を見せました。

当時の報道には、コスタリカの大会優勝オッズが2500倍だったとする例もあります。[参照:The Royal Gazette] もし2014年のコスタリカがそのままオランダを倒し、さらに準決勝と決勝まで勝って世界王者になっていたなら、ミラクル・レスターにかなり近い種類の衝撃だったと考えられます。

なぜワールドカップの弱小国優勝よりレスターの方が難しく感じるのか

重要なのは大会形式の違いです。ワールドカップは短期決戦なので、番狂わせが連続すればダークホースにも優勝の可能性があります。

決勝トーナメントに入れば、基本的には1試合で勝敗が決まります。強豪相手でも守備を固めて0-0からPK戦に持ち込めば突破できます。数試合だけ絶好調になることでも優勝へ近づけます。

一方、プレミアリーグは38試合あります。レスターはマンチェスター・シティやアーセナルなどに一度勝つだけでは不十分で、約9か月間にわたって20クラブ中最も多くの勝点を積み上げ続ける必要がありました。この長期戦という点が、レスターの奇跡をさらに特殊なものにしています。

「弱いチームが運よく優勝した」という話ではない

レスター優勝を説明するときに注意したいのは、5000倍だったからといって実際のチームが弱かったわけではないことです。

優勝シーズンにはジェイミー・ヴァーディーが24得点を記録し、リヤド・マフレズ、エンゴロ・カンテ、カスパー・シュマイケル、ウェズ・モーガンなどが非常に高いパフォーマンスを見せました。クラウディオ・ラニエリ監督の戦術も機能し、高速カウンターと組織的な守備で勝点を積み重ねています。

つまり「実力のないチームに奇跡が38試合続いた」のではなく、シーズン開始前には誰も予想できなかったほど選手たちが成長し、チームとして完成したという側面があります。

ワールドカップで例えるならどんな条件の国?

レスター級の奇跡をワールドカップで再現すると仮定すれば、次のような条件を持つ代表が近いでしょう。

条件 レスター ワールドカップに置き換えた場合
大会前の評価 優勝候補ではない 優勝候補ランキングの最下位グループ
直前の実績 前年に降格危機 予選突破自体が大きな成果の国
スター選手 開幕前には世界的スターが少ない ビッグクラブのスターがほとんどいない代表
期待値 残留できれば成功 グループ突破なら大成功
最終結果 プレミアリーグ優勝 ブラジルやフランスなどを抑えて世界一

この条件を見ると、日本やモロッコというより、ワールドカップ出場国の中でも大会前の優勝評価がかなり低い代表をイメージした方が近いことが分かります。

具体的には「コスタリカ級の国がそのまま世界一」が分かりやすい

国名を一つ挙げなければならないなら、歴史的なイメージとして最も分かりやすいのは2014年大会のコスタリカがそのまま優勝するケースでしょう。

当時のコスタリカは、イングランド、イタリア、ウルグアイがいる「死の組」で真っ先に脱落すると予想されていました。それがグループ首位となりベスト8まで進みました。

実際にはベスト8で終わりましたが、もしそこからオランダを破り、アルゼンチンなどの強豪も倒して優勝していたなら、「そんなことが本当に起きるのか」という空気はレスター優勝とかなり近かったはずです。

日本代表ならどの時代の日本が近い?

どうしても日本代表で例えるなら、現在の日本よりも、ワールドカップ初出場前後の日本が突然優勝するイメージの方が近いでしょう。

現在の日本代表は欧州主要リーグでプレーする選手が多く、ワールドカップでドイツやスペインを破った実績もあります。そのため現在の日本が世界一になれば大番狂わせではあるものの、「誰も可能性を考えていなかったチーム」という位置づけではありません。

例えばワールドカップ初出場だった1998年の日本が、フランス、ブラジル、ドイツ、イタリアなどを上回って突然優勝していたと考えると、レスターの衝撃にかなり近づきます。

ギリシャのEURO2004優勝ともよく比較される

ワールドカップではありませんが、代表戦でレスターに近い歴史的番狂わせとしてよく挙げられるのがEURO2004のギリシャです。

ギリシャは大会前に優勝候補と見られていませんでしたが、開催国ポルトガルを2度破り、フランスやチェコにも勝って欧州王者になりました。

短期トーナメントである点はレスターと異なりますが、「事前評価の低いチームが戦術と組織力で超大国を次々と倒す」というストーリーはよく似ています。

ミラクル・レスターがさらに特別なのは38試合で証明したこと

レスターの優勝を語るうえで最も重要なのは、最後に一発勝負で強豪を倒したわけではないことです。

38試合を戦ってわずか3敗しかしておらず、最終勝点は81。2位アーセナルに10ポイント差をつけました。[参照:Premier League公式]

つまり最終節で偶然優勝したのではなく、シーズン全体を振り返れば明確に最も優秀な成績を残したチームでした。ここが一般的な「ジャイアントキリング」と大きく異なります。

強豪クラブが同時に不調だったことも追い風になった

もちろんレスターだけの力ではなく、2015-16シーズン特有の環境もありました。

前年王者チェルシーが大きく低迷し、マンチェスター・ユナイテッドやマンチェスター・シティも通常の優勝シーズンほど勝点を伸ばせませんでした。プレミアリーグ公式も、レスターが従来の強豪勢の不振を生かしたことを指摘しています。[参照:Premier League公式]

ただしライバルが不調でも、自分たちが38試合で81ポイントを取らなければ優勝できません。チャンスが生まれたことと、そのチャンスを最後までものにしたことは分けて考える必要があります。

優勝オッズ5000倍をそのまま代表国へ当てはめていい?

5000倍という数字だけで「ワールドカップの5000倍の国と同じ」と比較するのも注意が必要です。

ブックメーカーのオッズには市場規模、賭け金の偏り、利益率などが含まれているため、純粋な数学的優勝確率ではありません。またリーグ戦とワールドカップでは大会形式が大きく異なります。

そのためオッズは奇跡の大きさをイメージする材料としては非常に分かりやすいものの、国同士を完全に一対一で対応させる数字として使うものではありません。

一番分かりやすい例え

サッカーに詳しくない人へミラクル・レスターを説明するなら、次のようなイメージが分かりやすいでしょう。

「ワールドカップで、優勝候補どころかグループリーグ敗退候補だった国が、世界的スターもほとんどいない状態から突然覚醒し、ブラジル、フランス、アルゼンチン級の強豪を抑えて世界一になるような出来事」です。

さらにレスターの場合は一発勝負の大会ではなく、約9か月・38試合の長期戦でそれを成し遂げた、という条件まで加えると驚異性がより正確に伝わります。

まとめ|ワールドカップなら「2014年コスタリカがそのまま優勝」級の奇跡

ミラクル・レスターをワールドカップの国に例える場合、完全に一致する代表はありません。ただ、現在の日本やモロッコのようにダークホースとして一定の評価を受けている国が優勝するよりも、さらに大きな番狂わせと考えるのが妥当です。

歴史的な具体例なら、2014年ワールドカップで大会前には非常に評価が低かったコスタリカが、実際のベスト8では止まらず、そのままオランダ、アルゼンチン、ドイツ級の相手まで倒して優勝していた――という想像がかなり近いでしょう。

日本代表で例えるなら現在より、ワールドカップ初出場だった1998年頃の日本が突然世界王者になったイメージの方が近くなります。

そしてレスターの開幕前優勝オッズは5000対1でした。前年は降格争いをしていたクラブが、翌年には38試合で23勝12分3敗、勝点81を獲得し、2位へ10ポイント差をつけて優勝しています。[参照:Premier League公式]

したがって「ワールドカップでどこの国が優勝するくらい?」という問いには、「日本優勝よりさらに意外で、2014年のコスタリカのような超大穴国がそのまま世界一になるくらい」と答えるのが、ミラクル・レスターの異常さを最もイメージしやすい表現です。

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