大谷翔平のABSチャレンジで疑問に感じるストライク判定の仕組み|捕球位置と通過位置の違いを解説

MLB

MLBで導入が進んでいるABS(Automatic Ball-Strike System)チャレンジでは、これまで人間の審判が行っていたストライク・ボール判定を機械判定によって確認できます。しかし、テレビ中継で表示されるストライクゾーンや捕手の捕球位置を見ると、「なぜ捕球位置は枠外なのにストライクなのか」と疑問に感じる場面があります。

特に大谷翔平選手のような注目選手の打席では、ABSチャレンジの判定結果が大きな話題になります。この記事では、ABSの判定基準や、捕球位置とボールが通過した位置が違って見える理由について詳しく解説します。

ABSチャレンジはキャッチャーの捕球位置で判定していない

ABSが判定しているのは、基本的に「ボールがストライクゾーンを通過した位置」です。つまり、キャッチャーが捕球した場所はストライク・ボール判定の直接的な基準ではありません。

投球されたボールは、ホームプレート上を通過した後に落下したり変化したりします。そのため、捕手のミットの位置と、実際にストライクゾーンを通過した位置には大きな違いが出ることがあります。

例えば、低めの変化球の場合、ホーム上ではストライクゾーン内を通過していても、キャッチャーが捕球する時には沈んでミットが低い位置になることがあります。この場合、捕球位置だけを見るとボールに見えても、ABSではストライクと判定されます。

なぜテレビ画面では捕球位置と判定表示が違って見えるのか

テレビ中継で表示されるストライクゾーンの枠は、視聴者向けの参考情報です。実際のABS判定では、投球の軌道データや選手ごとの打撃姿勢などを基にゾーン通過位置が計算されています。

カメラ映像は二次元で表示されるため、奥行きやボールの高さを正確に判断することは難しい場合があります。特に球速の速い球や大きく変化する球では、人間の目で見た印象と実際の通過位置に差が生じます。

また、キャッチャーがミットを動かして捕球するフレーミング技術によって、捕球位置がさらに変化することもあります。そのため「ミットが枠外だった」という印象だけでは判定を判断できません。

ABSで使われるストライクゾーンの考え方

野球のストライクゾーンは、打者が構えた時の体の高さなどを基準に決まります。ABSでは、人間の審判が見るような曖昧な印象ではなく、設定されたゾーンをボールが通過したかどうかを判断します。

そのため、打者ごとにゾーンの高さは変わります。大柄な選手と小柄な選手では同じコースでも判定基準となる高さが異なるため、単純に画面上の枠だけを見ると違和感を覚えることがあります。

例えば、低めいっぱいの球はキャッチャーが地面近くで捕球していても、打者のストライクゾーン下限を通過していればストライクになります。

大谷翔平のABSチャレンジで起きたように見える現象

大谷翔平選手の打席で話題になったような「捕球位置は外れているのにストライク判定」という現象は、ABSの仕組みを理解すると説明できます。

投球は常に直線ではありません。スライダーやカーブ、シンカーなどは途中で変化するため、ホームプレート付近を通過した瞬間とキャッチャーが捕球した瞬間では位置が変わります。

そのため、スロー映像で捕球シーンだけを見ると疑問に感じても、実際にはストライクゾーン上を通過していた可能性があります。ABSチャレンジは捕球地点を再確認する制度ではなく、投球の通過地点を確認する制度です。

ABSチャレンジで今後注目されるポイント

ABSは判定の公平性を高めるためのシステムですが、完全に人間の感覚と一致するわけではありません。特にテレビ映像だけでは判断できない部分があるため、視聴者が違和感を持つ場面もあります。

一方で、審判による判定のばらつきを減らせることは大きなメリットです。選手やファンにとっては、判定基準が明確になることで試合への納得感が高まります。

今後ABSがさらに普及していけば、ストライクゾーンの理解も変化していくと考えられます。捕球位置ではなく、ボールがどこを通過したかを見ることが重要になります。

まとめ|ABS判定は捕球位置ではなくゾーン通過位置が基準

ABSチャレンジで「キャッチャーのミットは枠外なのにストライク」という状況が起こるのは、判定基準が捕球位置ではないためです。

投球は変化しながらホームへ到達するため、ストライクゾーン通過時と捕球時では位置が変わります。テレビ映像では捕球位置が目立ちますが、ABSはボールがゾーンを通った瞬間を判断しています。

大谷翔平選手のようなスター選手の打席では判定への注目も集まりますが、ABSの仕組みを理解すると、見た目との違いが生まれる理由が分かります。

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