メジャーリーグ(MLB)では、長いシーズンを勝ち抜いて地区優勝するだけでも難しいものですが、それを何年も連続して達成した球団があります。特に1990年代以降には、同じ地区を長期間支配した歴史的なチームがいくつか存在します。
MLB公式が紹介している連続地区優勝記録を基準にすると、歴代ベスト3は1位アトランタ・ブレーブスの14回、2位ニューヨーク・ヤンキースの9回、3位ロサンゼルス・ドジャースの8回です。[参照:MLB公式]
ただしブレーブスの14連覇には、ストライキによってポストシーズン自体が行われなかった1994年が途中に入っています。この点を含め、「連続地区優勝」というMLB独特の記録の数え方も確認していきます。
- MLBの連続地区優勝記録ベスト3
- 1位|アトランタ・ブレーブスは14回連続地区優勝
- ブレーブスの14連覇に1994年が含まれるのはなぜ?
- 途中で所属地区も変わっている
- 2位|ニューヨーク・ヤンキースは9回連続
- ヤンキースは1998~2006年に毎年AL東地区を制覇
- 3位|ロサンゼルス・ドジャースは8回連続
- ドジャースの連続地区優勝は2021年にストップ
- ブレーブス14回、ヤンキース9回、ドジャース8回の差は大きい
- 4位以下には5~6回程度の連覇もある
- 地区優勝とポストシーズン連続出場は別の記録
- ドジャースは現在も長期間の強さを維持している
- なぜ何年も連続で地区優勝するのは難しいのか
- ブレーブスが14年間も強かった理由
- 連続地区優勝とワールドシリーズ優勝は一致しない
- 「地区優勝」が存在するのは1969年以降
- まとめ|MLBの連続地区優勝ベスト3はブレーブス、ヤンキース、ドジャース
MLBの連続地区優勝記録ベスト3
まず、現在までのMLBにおける代表的な連続地区優勝記録を一覧にすると次のようになります。
| 順位 | 球団 | 連続地区優勝 | 期間 |
|---|---|---|---|
| 1位 | アトランタ・ブレーブス | 14回 | 1991~2005年 |
| 2位 | ニューヨーク・ヤンキース | 9回 | 1998~2006年 |
| 3位 | ロサンゼルス・ドジャース | 8回 | 2013~2020年 |
MLB公式も、ブレーブスの14回を歴代最長、ヤンキースの9回を2番目、ドジャースの8回をそれに続く記録として紹介しています。[参照:MLB公式]
いずれも一時的な強さではなく、主力選手の入れ替わりや故障、FA移籍などを乗り越えながら長期間トップを維持したチームです。
1位|アトランタ・ブレーブスは14回連続地区優勝
MLB史上最長の連続地区優勝記録を持つのがアトランタ・ブレーブスです。1991年から2005年にかけて、MLB公式では14回連続の地区優勝として記録されています。[参照:アトランタ・ブレーブス公式]
この時代のブレーブスには、グレッグ・マダックス、トム・グラビン、ジョン・スモルツという歴史的な先発投手陣がいました。さらにチッパー・ジョーンズ、アンドリュー・ジョーンズなどの中心打者も加わり、投打の両方で長期間高い水準を維持しました。
1995年にはクリーブランド・インディアンス(現ガーディアンズ)を破ってワールドシリーズも制覇しています。14回の地区優勝期間中にはナショナル・リーグ優勝も5回経験しており、1990年代を代表する王朝の一つでした。[参照:MLB公式]
ブレーブスの14連覇に1994年が含まれるのはなぜ?
ブレーブスの記録を見ると「1991~2005年なら15年間なのに、なぜ14回なのか」と疑問に感じるかもしれません。
理由は1994年です。この年はMLB選手会のストライキによってシーズンが途中で打ち切られ、ポストシーズンもワールドシリーズも開催されませんでした。そのため地区優勝球団そのものが正式には決定していません。
1991~1993年に地区優勝したブレーブスは、1994年の中止を挟んで1995~2005年にも毎年地区優勝しました。MLBではこの実績を「14 consecutive division titles(14回連続地区優勝)」として扱っています。[参照:MLB公式]
途中で所属地区も変わっている
さらにブレーブスの記録が面白いのは、14回すべてを同じ地区で優勝したわけではないことです。
1991~1993年はナショナル・リーグ西地区(NL West)に所属しており、そこで3年連続優勝しました。MLBの地区再編後はナショナル・リーグ東地区(NL East)へ移り、1995~2005年には11回連続でNL東地区を制しました。
つまり「NL西3回+NL東11回=14回」という構成です。所属地区が変わっても勝ち続けたことが、この記録の特異さをさらに際立たせています。
2位|ニューヨーク・ヤンキースは9回連続
歴代2位はニューヨーク・ヤンキースで、1998年から2006年まで9年連続でアメリカン・リーグ東地区(AL East)を制覇しました。[参照:ニューヨーク・ヤンキース公式]
この時代の中心選手にはデレク・ジーター、マリアノ・リベラ、ホルヘ・ポサダ、バーニー・ウィリアムズ、アンディ・ペティットらがおり、いわゆるヤンキース王朝を形成しました。
特に1998~2000年にはワールドシリーズを3年連続で制覇。1998年のヤンキースはレギュラーシーズン114勝を挙げ、ポストシーズンを含めてもMLB史に残る強豪チームとして知られています。
ヤンキースは1998~2006年に毎年AL東地区を制覇
1998年にAL東地区を制したヤンキースは、その後もレッドソックスやブルージェイズ、オリオールズなどを抑えて首位を守り続けました。
2005年には8年連続のAL東地区優勝を達成し、翌2006年には9年連続へ更新しています。ヤンキース公式の球団史でも2006年について「ninth consecutive AL East title」と記録されています。[参照:ヤンキース公式]
しかし2007年はボストン・レッドソックスがAL東地区を制したため、ヤンキースの連続記録は9でストップしました。なおヤンキース自体は2007年もワイルドカードでポストシーズンへ進出しています。
3位|ロサンゼルス・ドジャースは8回連続
歴代3位となるのがロサンゼルス・ドジャースです。2013年から2020年まで8年連続でナショナル・リーグ西地区(NL West)を制しました。
2020年に8連覇を達成した際、MLB公式も「eighth consecutive year」と報じています。[参照:MLB公式]
この時代を象徴する選手としては、クレイトン・カーショウ、ケンリー・ジャンセン、ジャスティン・ターナー、コーリー・シーガーなどが挙げられます。後半にはムーキー・ベッツも加わり、2020年にはワールドシリーズ制覇も達成しました。
ドジャースの連続地区優勝は2021年にストップ
ドジャースは2021年も106勝という圧倒的な成績を残しました。それでもNL西地区を優勝することはできませんでした。
この年のサンフランシスコ・ジャイアンツが球団記録となる107勝を挙げたためです。わずか1ゲーム差でジャイアンツが地区優勝し、ドジャースの8年連続地区優勝は終了しました。[参照:ドジャース公式]
106勝しても地区優勝できなかったという事実からも、地区優勝を何年も続ける難しさが分かります。
ブレーブス14回、ヤンキース9回、ドジャース8回の差は大きい
| 球団 | 連続回数 | 期間 | 期間中の主な世界一 |
|---|---|---|---|
| ブレーブス | 14 | 1991~2005 | 1995年 |
| ヤンキース | 9 | 1998~2006 | 1998、1999、2000年 |
| ドジャース | 8 | 2013~2020 | 2020年 |
2位と3位は1回差ですが、1位のブレーブスはヤンキースよりさらに5回多い14回です。
MLB公式もブレーブスの14回について、他球団が10回連続にすら到達していない非常に突出した記録として紹介しています。[参照:MLB公式]
4位以下には5~6回程度の連覇もある
ベスト3ほどではありませんが、MLBには5年以上連続で地区を制したチームも存在します。
例えばオークランド・アスレチックスは1971~1975年に5年連続でAL西地区を優勝し、その途中の1972~1974年にはワールドシリーズを3連覇しました。クリーブランドも1995~1999年に5年連続地区優勝、フィラデルフィア・フィリーズも2007~2011年に5年連続でNL東地区を制しています。[参照:MLB公式]
また近年のブレーブスも2018~2023年にNL東地区を6年連続で優勝しています。ただし2024年にフィリーズが地区を制したことで、新しい連続記録は6回で終了しました。
地区優勝とポストシーズン連続出場は別の記録
ここで注意したいのが、「連続地区優勝」と「連続ポストシーズン出場」は同じではないことです。
MLBにはワイルドカード制度があるため、地区2位や3位でも成績次第ではプレーオフへ進出できます。そのため地区優勝できなかったシーズンがあっても、ポストシーズン出場記録自体は継続する場合があります。
例えばドジャースは2013~2020年に8年連続で地区優勝しましたが、2021年はジャイアンツに地区優勝を譲りながらワイルドカードでポストシーズンへ出場しました。そのため「連続地区優勝」は8で途切れましたが、「連続ポストシーズン出場」はその後も続きました。
ドジャースは現在も長期間の強さを維持している
ドジャースは2021年に地区優勝を逃したものの、2022年には再びNL西地区を制覇しました。MLB公式によれば、この時点で10年間に9回目の地区優勝でした。[参照:ドジャース公式]
つまり「連続」という記録では8回で止まっているものの、長期的な地区支配という意味では非常に高い水準を維持しています。
地区優勝連続記録を見る場合は、「何回連続したか」と「一定期間に何回優勝したか」を分けて考えると、各球団の強さをより正確に比較できます。
なぜ何年も連続で地区優勝するのは難しいのか
MLBでは162試合という長いレギュラーシーズンを戦います。故障者が出るだけでなく、FAによって主力選手が移籍し、若手選手の成長や衰えによって戦力も毎年変化します。
さらにドラフトでは基本的に成績の悪い球団ほど早い指名順位を得られるため、同じ強豪チームが永久に有利になる仕組みではありません。ぜいたく税などもあり、戦力を何年も維持するにはフロントの運営能力も必要です。
その中でブレーブスが14回、ヤンキースが9回、ドジャースが8回も地区優勝を続けたことは、単に数人のスター選手がいたからだけでは説明できない記録です。
ブレーブスが14年間も強かった理由
ブレーブスの最大の特徴は強力な先発投手陣でした。マダックス、グラビン、スモルツはいずれも野球殿堂入りを果たしており、毎年安定して試合を作ることができました。
さらにボビー・コックス監督の下で、主力が抜けても若手や補強選手を組み込みながら戦力を維持しました。1991~2005年の長い期間を通して、同じメンバーだけで戦っていたわけではありません。
MLB公式によれば、14回の地区優勝期間にブレーブスのユニフォームを着た選手は272人に及び、14回すべての優勝チームに所属した選手はジョン・スモルツだけでした。[参照:MLB公式]
連続地区優勝とワールドシリーズ優勝は一致しない
興味深いのは、地区優勝を連続してもワールドシリーズを毎年制覇できるわけではないことです。
ブレーブスは14回連続地区優勝という圧倒的な記録を持ちながら、その期間のワールドシリーズ制覇は1995年の1度だけです。一方、ヤンキースは9年連続地区優勝期間中に1998~2000年の3連覇を達成しました。
これはMLBのポストシーズンが短期決戦であるためです。年間162試合では強さを示せても、5戦制や7戦制のシリーズでは投手の調子や故障、わずかなプレーが結果を大きく左右します。
「地区優勝」が存在するのは1969年以降
歴代記録を見る際には、MLBの地区制度が始まった時期にも注意が必要です。
1968年以前のMLBには現在のような東地区・中地区・西地区がなく、アメリカン・リーグとナショナル・リーグそれぞれの1位がリーグ優勝となり、ワールドシリーズへ進んでいました。
地区制が導入されたのは1969年です。そのため、例えば昔のヤンキースが何年も連続でアメリカン・リーグを制覇していても、それは「地区優勝連続記録」には含まれません。現在の地区優勝と同じ条件で比較できるのは基本的に1969年以降です。
まとめ|MLBの連続地区優勝ベスト3はブレーブス、ヤンキース、ドジャース
MLBにおける連続地区優勝の歴代ベスト3は、1位アトランタ・ブレーブス14回、2位ニューヨーク・ヤンキース9回、3位ロサンゼルス・ドジャース8回です。MLB公式でもこの3球団が歴代上位として紹介されています。[参照:MLB公式]
ブレーブスは1991~2005年に14回の地区優勝を達成しました。1994年はストライキによって地区優勝自体が決定されなかったため、この年を除いた14シーズンすべてで地区を制した記録としてMLBでは「14連続」と扱われています。
ヤンキースは1998~2006年にAL東地区を9年連続で制覇し、期間中にはワールドシリーズ3連覇も達成しました。ドジャースは2013~2020年にNL西地区を8年連続で制し、2020年にはワールドシリーズでも優勝しています。
特にブレーブスの14回は突出しており、2位のヤンキースより5回も多い記録です。現在のMLBでは選手移籍や故障、戦力均衡の仕組みもあるため、10年以上にわたって毎年地区トップを維持すること自体が極めて難しく、ブレーブスの14回連続地区優勝はMLB史上でも特に破られにくい記録の一つといえるでしょう。


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